『トランスジェンダーフェミニズム』のメモ

先日久しぶりに読書会に参加しました。課題本が『トランスジェンダーフェミニズム』で、読んだ時気になった個所などを以下に書いていきます。

p15
むしろ女と言う社会的政治的基盤がどのように構築されているかと言うことを、日常の実践の中で意識化してほしいからに他ならない

p16
あなたは誰のことかそれを教えてくれたフェミニズムそのものが現実では時に私を抑圧する装置となる。


p18
トランスジェンダーがフェミニズムに関われると思うのは性別越境していく中で「女」「男」と二分された性別が自分の目の前で解体していく現象をリアルに体感するからだ。

p37
その時バイセクシャルの女性が1人議論の場にいて「もしこのグループを“レズビアンのための”と限定するなら私は男とも寝るレズビアンというふうに自分について言わざるをえなくなる」と発言していた。アイデンティティーとは何なのかそれは人それぞれだが私は彼女のような人がいるなら私の居場所もあるだろうと感じた。

p38
なぜ自由診療を選んだのかと言うと私は精神科医に性同一性「障害」と認めてもらうことの胡散臭さを感じたからだ。

p42
クィアを生きるとはすなわち、「私」という個を生きることだ。その上で私がフェミニストと共闘できると思うのは、「個」を生きることを否定する社会を作ってきた制度の数々ーー家長制度の根源、戸籍制度撤廃やそれと連動してる天皇制の廃止であろう。

p52
今ではほんとに死なずに回復して良かったと思う。その理由は一般的な意味だけではなく、もし死んでいれば私がトランスジェンダーであることもなかったことにされ、普通の葬式はあげられ親しくもない親戚の参列の中、両親の手で墓に入れたはずだからだ。

p53
FTMのグラデーション

p55
男はこうあるべき、女はこうあるべき、などというくだらない区分が、性別越境者であるトランスジェンダーを苦しめてきた。

p56
トランスの過程で共通した悩みが多い。男女の特徴重なっている時期は、電車の中でも道を歩いているだけでも他人から「どっちなんだ?」と詮索される。ひそしの話もしょっちゅう体験する。その注目度の高さから来るストレスは誰にとっても辛いものがある。

p62
友達が、転院先を探してくれたが、トランスジェンダーですかと切り出すと「前例がないから受けられません」……と何軒もの病院からネガティブな反応を受け、拒否を食らった。電話をかけてくれた友達はあまりのことに泣いたと言っていた。そりゃそうだろ命がかかっているときに医療サービスも簡単に受けられないなんて悲しい話である。

p71
(要約)搭乗の際、パスポート記載の性別がバレないようにうまく嘘をつかないといけない。

p76
狭い町でパートナーの昔の知り合いに偶然会うたびに何も気づかず昔の女性名で呼ばれたりするのを見て、私はほとほと疲れてしまった。


p82
2002〜2003年
全日本モーターボート連合会が、女性選手・安藤千夏選手を男性選手・安藤大将選手として登録したこと。
東京都小金井市、府中市、埼玉県新座市、草加市、鳥取市などが、自治体発行の証明書や住民が提出する申請書から可能な限り性別欄を削除するよう議決した。
上川あやの世田谷区議への選出。


p84
『トランスジェンダリズム宣言』

p94
公的書類においては性別はデータとして対して必要のないものである場合が圧倒的に多い。体制側にとって戸籍が重要であるなら、せめて戸籍以外の健康保険証や住民票パスポート等その他の公的証明書について変更できるか性別記載がなくなればかなりの数の当事者が助かるに違いない。

p95
体制が家族制度を中心に個人を管理しようとしていると思われても仕方ないのではないか。

p96
しかし誰でも性別移行できる可能性があると考えるなら、性別は個人情報としてそれほど重要ではなものでは無いはずだなのに、なぜそれほど性別にこだわるのかをもし性別分けされる経験がなかったらこれほどのセンターバイアスが蔓延していただろうか。


p99
性同一性障害特例法をめぐる当事者の評価

p102
(逆にわかりづらい例えな気がした)

p106
戸籍制度の中で性別変更がされても、戸籍制度を強化するだけだから自分の性別を戸籍制度に関わらせたくない。天皇家だけにない日本の戸籍制度こそが問題なのだ。
誰から生まれ、誰とときょうだいであり、先祖は誰で、家自体がどういう歴史を持っているか、本家はどこで分家はどこにあるか、婚姻の経験はあるかなど、戸籍を見れば一目瞭然だ。もともと部落差別も戸籍を下にしていた。これはプライバシーの侵害とも言える制度なのだ。

p106
海外の場合、台湾と韓国だけが戸籍制度を持っている。これは日本が占領した時押し付けた悪法で、その他の国にはない。

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