【原寸大!】ぐりとぐらのパンケーキの会 実践編 Ⅱ
さて、いよいよパンケーキを焼く工程に入る。
埋めたブロックの上に簡易鉄板を載せるのだが、連結の弱点として接合部の強度が低いため、両端のコンクリブロックだけの柱では生地を載せたらその重さに耐えかねて崩れ落ちてしまう。それを防ぐために、植木鉢を載せる鉄製のプランタースタンドを接合部の下において、鉄板を支える柱とした(構想時のイラストには石を積み上げた柱で描かれているが、これだと柱の部分の熱伝導率が損なわれる弱点があったため解消した)。
そして、満を持して生地を鉄板に流しこんだ。だが、悲劇は起きた。円を描くようにバケツから生地を垂らし入れていったのだが、4つのコンクリブロックと2つのポールスタンドの6点のみで支えられた鉄板にはわずかな起伏が生じていたため、生地は満遍なく均等には広がらず、やや中央に滞留した楕円形になってしまった。
加えて、鉄板の凹凸によって型の下には隙間が生じ、中央の両端から生地が地面に流れ出してしまった。これはまずい。慌てて大きめの石を鉄板の下に入れて支え、なんとか生地が中央にとどまるように収めた。
まだ不安は残るが、とりあえず蓋をして様子を見ることにした。鉄板の下の薪に火が強くなりすぎないように細心の注意を払いながら、じっくり時間をかけて焼き上げていく。その間におでんパーティーも開催された(鍋が少々小さかったため、2回に分けて行われた)。
1回目のおでんパーティーはパンケーキの面倒を見るのに忙しくてあまり食べられなかったのだが、2回目のときに桜島がひっそり「明石さっきあんま食べられてなかったでしょ。いっぱい食べな」と言ってくれたのが嬉しかった。自分のことを見てくれている人がいるだけで、いくらでも活力が湧いてくる。
30分ほど経って蓋をとると、パンケーキにお決まりのぶつぶつが現れていた。両端は生焼けっぽかったが中央部分には火が通ったようだった。鉄板に油はひいたものの、簡易鉄板ゆえの凹凸によって生地を丁寧にはがすことは難しそうだった。
ただ、けがの功名で片面焼きだったものの時間をかけてじっくり焼いたことで一応食べられる状態になっていた。焼け具合に差があることも考えてひっくり返すことは断念し、とりあえず焼けているところから順に切り分けていった。
生地に高低差があったため、パンケーキらしい厚さなのは中央部分に限定され、端はクッキーのようにパリパリだった。ただ、ポジティヴに考えれば一度に様々な食感を味わえるとも言えた。ポジティヴに考えれば。
切り分けた生地を実食してみると、味はパンケーキというより蒸しパンに近かった。弱火でじっくり焼き上げたため、生地の水分によって蓋の中が蒸し器に近い状態になったのかもしれない。望み通りのパンケーキには届かなかったけれど、ひとまず食べられる状態になったのでほっと胸を撫でおろした。
秋よりもさらにつるべ落としの陽に急かされて、いそいそとあと片づけをした。そして、近くの銭湯で汗を流してまったりした。最後にハイタッチしてからそれぞれの家へと帰っていった。
《おまけ 反省点たち》
今回の反省点のひとつは、初対面の人同士の紹介が遅かったこと。パンケーキでも食べながら紹介すればいいかな、などと悠長に考えていたが、作業するときに関わるのだから最初にすればよかった(企画者としての意識が欠けていたなぁ)。また、紹介するときもどうしても事務的な説明になりすぎてしまったので、その人らしさを表すエピソードなんかを添えて話せばよかった。
パンケーキ作りに関しては、アルミプレートの連結部分が思ったよりも凸凹になってしまったのを改善したい。油はひいたけれど、その凹凸をカバーできるほどの円滑性を生み出せなかったのが、ひっくり返せなかった一番の原因だった。やはり完璧なパンケーキを作るには、ある程度の経済力を携えて1万円の鉄板を買うべきなのかしら。
また、みんなと話したくて集まったのに、作業を滞りなく進めることを考えすぎて脳が合理的モードに変わってしまい、純粋に会話を楽しめなかった。漫画の話とか、アイヌの話とか、なんでもポジティヴに言い換える遊びなどなど、加わりたい話があったのに参加できなかったのが心残り。
それだけ焦ってしまったのも、みんなを空腹の状態で召集したものの、最初のごはんにありつけるまで思ったより時間がかかってしまったのも反省。もう少しやるべき作業の優先順位とかを練っておく必要があったなぁ。
でも、これだけ反省点が挙がるのはこの集まりでのベースの感情が楽しすぎたからで、もっと楽しむ方法が目の前にあったのに手にすることができなかった悔しさというポジティヴな悩みであることを注記しておきたい。
なにはともあれ、来てくれてありがとうございました!
そして、読んでくれてありがとうございました!
サムネイル:室蘭
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