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【映画・アニメ】『海がきこえる』

2024年4月1日、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下にて、『海がきこえる』を観ました。

『海がきこえる』とは、1993年にテレビ放映されたスタジオジブリのアニメ映画です。
※放映後もいくつかの劇場で公開されたそうです
原作は氷室冴子さんによって月刊アニメージュで23回に渡って連載された同名の小説です。
※後に単行本、文庫化

海がきこえる


◾️何故観に行ったか
何故わざわざこんな昔の映画を観に行ったかというと、昔(2011年)に金曜ロードショーで放送されたのを観ており、その時に「なんだか凄い良い作品だった」という感想を持っていたのですが、時間が経った今は内容をほとんど覚えておらず、地上波ではコンプラ的に放送される事もなかった為、

「なんだか覚えてないけど、凄い良い作品だった、もう一度観てみたい」

という気持ちがあったからです。

そういった中で、今回ついに映画館で期間限定公開されるという事を知り、観るならこれが滅多に無い機会かも知れない、と思い観にいきました。

単館上映で当日はサービスデーだった事もあると思うのですが、当日は席がほとんど埋まるくらい人が大勢来ていました。私より若い人もそれなりにいました。

Bunkamuraに貼られているポスター


◾️観に行って良かった
72分という短い映画ですが、観に行って良かったです。
内容については印象に残るシーンが多く、観た後も何度か思い返していました。

遠い地である高知が舞台である事、

30年前の平成初期の日本の雰囲気、

杜崎拓(もりさき たく)と松野豊の親友のような関係、

武藤里伽子と拓の初めての会話のシーン、

まだ携帯電話もスマホもない時代に、家の固定電話で友達と話すシーン、

松野豊の「先生たちの判断は不当だと思います、高校卒業後に10年、20年経った後も、やっぱりあの時の事は不当だったと思い出すと思います」(意訳)の書き置き、

拓と里伽子が2人で東京に行ったエピソード、

里伽子の我儘とも取れるような振る舞いと、それを甘やかす訳でもなく否定も肯定もせず受け入れる拓、

高校卒業後に松野豊と再会した時の、車の中での何気ない会話をしたり、港まで散歩して海を見たりするシーン、

高校卒業後にクラスのみんなで同窓会をするシーン、

おそらく里伽子から影響されて、里伽子っぽい見た目になっている小浜さん

同窓会の後、同級生たちと夜の高知城を見上げるシーン、

東京で里伽子と再会するシーン

どのシーンも印象的

どれも、印象的でした。
過度に熱くなったり重くなったりするシーンがあるわけはありません。
「平熱感覚」をキーワードに制作された映画なのだそうですが、確かにそうだなと思います。

感想を一言で表すとすると『海がきこえる』は「エモいの塊」だなと思います。
(エモい、はもう死語?)

東京でのシーン
拓と豊の再会



とにかく、どのシーンを切り取っても、当時の高校生たちの、10代の終わりの大人になりかけの距離感や、熱すぎず冷めすぎない、かつ日常に近く映画らしい非日常もあるような、そんな世界を感じます。

とにかく、今の時代の人が観てもエモいと感じると思います。むしろ、インターネットもスマホもない時代だからこその人間味のある距離感が描かれているのが良いです。

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