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『東京ゲームダンジョン外伝』に行ってきた。2024/07/14(Sun)

2024年7月14日(日)、四ツ谷で開催されたインディゲーム展示会の『東京ゲームダンジョン外伝』に行ってきました。

■東京ゲームダンジョン外伝について
東京ゲームダンジョンは国内の個人や小規模チームが制作するデジタル・ゲーム(インディゲーム)の展示会です。過去に5回開催されており、それ以外に横浜でも開催された事があります。

その「外伝」にあたる当イベントでは出展ジャンルをアドベンチャーゲームとノベルゲーム、学生制作ゲームに限定して開催されたイベントです。

当記事では、当イベントで私が試遊したゲームの中からいくつか紹介いたします。


■ナツノカナタ beyond

2022年に発売された『ナツノカナタ』の完全版にあたる作品になります。
午前5時にピアノを弾く』や『ムーンレスムーン』の制作者であるKazuhide Okaさんにより制作されたゲームで、パブリッシングはわくわくゲームズです。
本作自体は既に2024年6月20日にリリースされています

「ナツノカナタ beyond」は終末を迎えた世界を旅する少女たちを描いた作品です。

あなたは、偶然見つけた古いコンピュータに導かれて、出会ったことのない少女と通話をします。彼女はナツノ。パンデミックによって崩壊した世界で、一人、行くあてのない旅をしているといいます。

けれどもあなたの知る世界では、パンデミックも社会の崩壊も起こっていない。

彼女のいる世界はどこなのか、どうして通話が繋がるのか──

ナツノの話し相手になって旅を見守るうちに、あなたは終末を迎えた世界の謎に迫っていきます。

Steamストアページより引用

別の世界?にいる「ナツノ」との通話を通して彼女に指示を出し、アイテムを入手したり敵を倒したりしながら彼女のいる世界を旅します。空腹度や体力の概念もあるようです。

試遊なので途中までしかやっていませんが、キャラクターのビジュアルやテキストの雰囲気が良く、先の展開が気になりました。

完全版では、新規BGMの追加や新規キャラクターの追加、挿入歌の追加などが行われているようです。

今回のイベントで配布されたチケットホルダー

■イツカノヨル

2023年09月26日にフリーゲーム投稿サイトの「unityroom」に投稿された作品で、今回のイベントで展示されたのはそのリメイク版になります。2024年にSteamでリリース予定だそうです。
制作者はIndigo Ingotsさん、パブリッシングはわくわくゲームズです。

ちなみにunityroomでは不定期で「unity1week」という1週間でお題に沿って作成したゲームを投稿するゲームジャムイベントがあり、本作は2023年9月に「1ボタン」というお題で実施された際に投稿された作品になります。私も当時プレイしました。

彼女が怪しい動きをしたり、
こちらに危害を加えてくると感じたら、
すぐに目の前のボタンを押してください。
処刑がすぐに実行されます。

ゲームの特徴
・基本的な操作はクリックのみです。
・あなたの選択で13種類のエンディングに分岐します。
・1プレイ自体は約5分です。

Steamストアページより
※画像はunityroom版です

五日後に処刑される死刑囚の竜族の少女と選択肢を用いて話しながらストーリーを進めていきます。身の危険を感じた場合に手元の赤いボタンを押すと、その場で死刑が執行されます。

しかし、この少女はいったい何の罪で囚われ、その罪の真相は何があるのか…

彼女が死刑囚になった事に関する真相を求めていく事になります。

マルチエンディング方式で、Steam版では13種類のエンディングがあるようです。

ちなみに、イベント会場では、死刑執行用のボタンが物理的に用意されていました。

押してみたいが押したら死刑が執行されてしまう…

■よりそいデリバリー

一人暮らしの女性の部屋が舞台で、そこに「ただそばにいてくれるだけのデリバリー」を呼んで、一緒に夜更かしをするゲームです。

「よりそいデリバリー」は、寂しい夜のためのアドベンチャーゲーム。

「ただそばにいてくれるだけのデリバリー」を呼んで、一緒に夜更かしをするゲームです。

少しずつ人が集まり、たまり場と化していく家の中で、騒がしくも楽しい夜をお過ごしください。

Steamストアページより引用

夜の静かな雰囲気が良く再現されており、その中を散策するのが良かったです。部屋の中もリビングのソファーやテレビ、台所の冷蔵庫、風呂場、トイレ、などがちゃんとあったりなど、生活感のある部分が表現されています。
また、ドット絵がかわいらしいです。

「ただそばにいてくれるだけのデリバリー」というのがどんなものなのか気になります。

今月の2024年7月にはリリース予定だそうです。もうリリース間近ですね。


■ぼったくりタクシー

悪のタクシーの運転手となり、お客さんから指定された目的地まで遠回りしながら料金をぼったくるゲームです。

なんという斬新なゲーム性…いったい私たちの信じる性善説とは何なのでしょうか。もはや性悪説の権化とも呼べるゲームです。(おおげさ)

[ゲーム説明]
タクシー運転手になって、お客様にバレないようにぼったくりしまくるアドベンチャーゲームです。より良い会話の返答や道の選択をして、たくさんぼったくりましょう!

[ストーリー]
悪のタクシー運転手がはびこり、ぼったくりが横行していた町、ボッタ栗市マ栗町(ぼったくりしまくりちょう)

その対策として、市長が打ち出したのが...爆発!

なんかスゴイ技術で、客の怒りを検知すると爆発するように。これによりぼったくりタクシーは激減。平和タクシーへと生まれ変わったのだ!

しかし、それでもぼったくりを貫く者がいた。
そう、あなたである。

Steamストアページより引用

上記のSteamストアページの説明によると、かつて市内で横行していたぼったくりタクシーは既に対策を取られたというのに、それでもぼったくりを貫くというのだから中々の悪人です。

お客さんはメニュー画面から選択形式で選ぶ事が出来ますが、最初は「社畜」さんのみです。私が試遊した際は他にも5名ほどいました。

最初は社畜さんのみ
走行中の画面

マップは下記のようになっており、青い旗印の箇所がゴール地点ですが、そこまで遠回りして料金を稼ぎながら(ぼったくりながら)進んでいく事になります。

マップ

走行中はお客さんと会話をしながら進むのですが、会話でお客さんの気に入る選択肢を選びながらお客さんの機嫌をとり、遠回りしている事に気付かれないようにしていきます。

正しい選択肢を選ぶと機嫌が良くなるが、間違った選択肢を選ぶと機嫌が悪くなり、遠回りしている事に気付かれやすくなってしまう。

また、マップの☆マークの箇所に行くと特別なイベントが発生します。
ゲーム内の見所なのでぜひ立ち寄って欲しいです。

ぼったくっている事をお客さんにばれずに無事に目的地に到達すればクリアです。

無事クリア

逆に、遠回りしている事を途中で気付かれたら車が爆発しゲームオーバーになります。

ゲームオーバー

突飛なゲーム性もさることながら、街の作り込みが豊富だったり、お客さんがBGMに合わせてさりげなく動いていたりなど、細かいところも作りこまれています。Steamストアページを見たところあまり遊ばれていないようなのですが、面白いゲームだと思いました。

私が試遊した時は3700点を叩き出しました。(その時点の当日1位)

■ヨルノカソウ

夜の森の中を歩きながらアイテムを集めていくゲームのようです。
ストーリーはありませんが、ゲームボーイ風のドット絵にノスタルジーを感じます。
また、試遊版では実際にゲームボーイでプレイすることが出来ました

ゲームボーイを触ったのは幼少期以来なので、少し感動しました。

モニターに映してスーファミのコントローラーで遊ぶか、ゲームボーイで遊ぶかを選ぶことが出来た。左側にある黄緑色のデバイスは何だろう。
HPより引用
HPより引用
HPより引用

ゲームボーイ風の懐かしいドット絵が気になった方はぜひやって欲しいです。itch.ioからプレイすることが出来ます。


■Midnight vacances(ミッドナイトバカンス)

『Midnight vacances(ミッドナイトバカンス)』は以前、私のnoteでも紹介したことがある『こえをきかせて』の制作者である、408(しおや)さんの作品です。『こえをきかせて』に出てきたキャラクターが出てきたので、物語上の繋がりがあるのかもしれません。

都会から離れた小さな小島「クラゲ島」へやってきた「カジクマ」と「アイリス」と「あなた」は自然豊かなこの島でのバカンスを楽しみます。

カジクマ
アイリス

大きな展開があるわけではありませんが、海岸の砂浜で遊んだり、島の中を散策したり、夜に花火をしたりと、ささやかな夏のひと時を過ごす様がとても愛らしいです。

また、オルゴールのBGMや波の音がとても良いため、プレイする際はヘッドホンを付ける事を推奨します。

『こえをきかせて』にも出てきたカジクマくんは本作でも料理が得意なようで、「スターライト焼きそば」を振る舞ってくれます。

キャラクターごとに個性があり、イラストなどからキャラクターに対する制作者の愛を感じます。

『こえをきかせて』、『Midnight vacances(ミッドナイトバカンス)』ともにノベルゲームコレクションでプレイ可能です。


■最後に

東京ゲームダンジョン外伝、外伝とはいえ、今回も楽しかったです。
当日は12:00~14:00の前半の部と14:30~17:00の後半の部に分かれており、私は前半の部に参加したのですが、2時間では遊びきれないくらい気になるゲームがありました。

また、会場内はADV・ノベルゲームが出展されているroomAと、学生のゲームが展示されているroomBのエリアに分かれていました。当記事で紹介したゲームはいずれもroomA(ADV・ノベルゲーム)のエリアのゲームなのですが、roomB(学生のゲーム)のエリアのゲームも面白いものや気になるものが多かったです。

そういった若い人たちが、今後ゲーム業界やインディーゲーム界隈、フリーゲーム界隈に参入してくるのかな、なんて期待したり。

以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。

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