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毎日超短話722「生きてる理由」

「実は今日、死のうと思ってたんだけど」

夏休み明けの教室で、友だちがポツリと言った。わたしは、思わず彼女の手を取る。それから彼女は、またポツリと言う。

「でも夏休みに送った変顔、遺影にされたら困ると思って」

わたしは彼女に、わたしを撮って、と言う。とびきりの変顔をしたあと、「わたしも遺影にされたら困るから、死なない」と笑った。

彼女は、うん、と小さく笑みを浮かべた。


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見出しイラストを使わせて頂いた玉三郎さんの小説も合わせてお読み頂ければ。



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