毎日超短話426「日記帳」
誰かが忘れたのか、置いていったのか、電車の網棚に日記帳がある。ふと手に取ってページをめくると、「終点まで連れてって」と書いてある。終点までいくと、仕事をサボることになるので迷ったけれど、それを手にして終点まで行くことにした。終点に着いたらドラマチックな出会いとかがあるのかもと期待したけれど、結局なにもなかった。だけど、辞めたかった仕事を辞められた。今日もどこかで誰かがあの日記帳を手にしてるかもしれないと、ときどき思い出す。
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