毎日超短話828「凍った川」
おばあさんが川へ洗濯にいくと、川は凍っておりました。まあ、どうしようかしら。と少し考えて、おばあさんは洗濯カゴに乗りました。それをソリにして、凍った川を滑っていきます。過ぎ去った日々と、会えなくなった人が川のまわりに居るのが見えました。ですが、洗濯カゴは止まらずに、滑っていきます。おばあさんは淋しさと嬉しさで、胸がいっぱいになりました。やがて海に出るころ、おばあさんはカゴから降りて、洗濯ものを洗いはじめました。これが終わったら、海に帰ろう、おばあさんは、そう思っているのでございます。
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