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毎日超短話54「子グマに出会う」

街灯が故障しているのか、帰り道がいつもより暗い。こんな暗がりの中を歩いて危ない目に遭ったなら、歩いているほうが悪いだろうか。悪いのは危ないことをするほうだとわたしは思うのだが。クマにでも会ったら仕方ないけど。

と思っていたらクマに会ってしまった。
思ったより大きくない。子グマだ。

子グマは顔を上げて空を見ている。
同じように見上げると星が瞬いていた。

綺麗だ。

人里へ降りてきたきみが悪いんじゃない。
だからおかえりなさい、きみの暮らすところへ。

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