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毎日超短話467「砂場」 #シロクマ文芸部

振り返るほど人生歩んでないからね。と砂場で遊ぶ子が言っている。そうそう5年で人生語るなんておこがましいわ。砂場の子らは、おもちゃのシャベルで砂を引きながら、そんなことを話している。

40年なら語れる? とベンチに座っている私は心で呼びかける。いや、まだまだだね、死にそうになったら語ってみなよ。そんな目で砂場の子らが、うなずく。

コンビニで買った紙コップのコーヒーが冷たい指先を温める。死にそうだったけど、人生語るのはやめにして、夢みたいな風景を味わうことにする。


一年前の超短話↓


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