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E判から1年で東工大に合格した話

This is a true story.
It is based on official reports
and eyewithness accounts.

Mayday: Air Crash Investigation

これは実話であり、公式記録、専門家の分析、関係者の証言を基に構成しています。

前書き

この度、1年間の浪人生活を経て、東工大に合格することが出来ました。
情理落ち工という結果になりましたが、この1年間の細かな流れや、ちょっとしたアドバイス等を書こうと思います。


率直な感想

まず率直な感想として、この1年間の浪人生活は、かなり苦しかったです。

模試で大失敗したり、問題集には「易」と書いてあるような問題でつまずいたりして、死にたくなるほどの鬱に襲われたこともありました。
そしてさらにひどい時には、家で夕飯を食べている最中になぜか涙が止まらなくなったこともありました。
(今思えば、これは結構重症でしたね......笑)

こんな事はもう二度と経験したくありませんし、この先これほどに苦しい思いをすることはおそらく無いでしょう。
そういう面では浪人というのはかなり貴重な体験だと思います。
「是非経験してほしい」とまでは言えませんが、経験して損は無いと思うので、浪人したことを悪く考えずに、そのような辛く厳しい道へ進んだ自分を是非誇ってください。

ちなみに僕が浪人を決めたのは、何が何でも第一志望が譲れなかったからです。

不合格、そして浪人へ……

東工大を志したのは、高2の時からです。
それまで特に大学は決めてなかったのですが、高2の時に部活動で東工大を知り、一目惚れしました。
なぜかは分かりませんが、自分の直感が「ここに行け」と訴えてくるのを強く感じましたし、それからもずっとここだけを目指してきました。

しかし志したはいいものの、中高と第1志望に難なく受かってしまった僕には、あらゆる時間を勉学に注ぐという考えがありませんでした。

そういうわけで、当時の自分は、受験をめちゃくちゃ舐めてました。
大学受験に向けて本格的に勉強を始めたのは、なんと高3の12月です。
天才でもない限り、受かるわけないですよね。

何も勉強してこなかったので当たり前ですが、高3の後半になっても、模試では軒並みE判を叩き出していました。
しかし、「まぁなんとかなる」と親に言い続け、そのままほぼ前期一本で東工大に特攻し、順当に落ちました。
(担任の勧めで、後期に九大も一応受けましたが、ほとんど前期一本のような気持ちでした。)

前期一本にしたのは、単にそこにしか目が無かったからです。

そしてもちろん後期も落ちたので、無事に浪人することになりました。
「さすがに九大くらいは受かるだろう」とかふざけた事を言っていた自分が本当に恥ずかしいです。

この後の内容と少し順序が前後するのですが、5月中旬に成績開示があり、その結果は以下の通り、E判にふさわしいほどに悲惨なものでした。

【個別学力検査の教科・科目等:得点】

合計:268

英語:70
数学:70
物理:49
化学:79

落ちた時の成績開示の結果

これは正直自分の予想よりも遥かに低い点で、かなりショックでしたし、ここから合格まで持っていくことが出来るのか非常に不安でした。
志望校のレベルを下げることも少し考えましたが、その時も直感が「まだその時ではない!」と言っていました。

浪人生活について

自分の勉強

僕は家ではあまり勉強しませんでした、というか出来ませんでした。
すぐそばに布団があればゴロゴロしたくなるし、手の届く場にパソコンが置いてあればゲームとかプログラミングとかしたくなるのが人間ですよね。

そんなわけで自分はもともと自宅ではあまり勉強が進まない質だったので、この1年間の勉強(自習)はほとんど予備校でしました。
通常授業が無い夏休みや年始以降でもほぼ毎日予備校に通う用事を作るために、積極的に短期講習を履修したほどです。(笑)

予備校の授業

授業はどの教科でもほぼ毎回出席していました。
(某流行り病に罹って1週間くらい休んでしまったので皆勤とはなりませんでした、残念。)

ところで、僕が通った予備校の授業形式は、特に理系科目では、予習として解いてきた問題の解説を授業時間に行うといったものが大半でした。
そして、自分の回答と同じような解答解説が白板に書かれることも少なくはありませんでした。
そういうこともあってか、自習時間を確保しようとして授業に出席しない、いわゆる「授業を切る」人がいましたが、個人的にはそれはお勧めしません。

その理由は単純で、授業に出ないと知り得なかったようなことが結構あるからです。
全てを完全に理解している人なら話は別ですが、そうでない限り、そのような貴重な機会を自分から切り捨ててしまっているのは、実にもったいないことです。

講師の中には私たちより2倍も3倍も長く生きている方が多くいらっしゃいます。
そのいわばプロフェッショナルな方々は、私たちよりも何倍も多くの話題や情報に接していて、その中から厳選したものを私たちに伝えようとしてくれているはずです。
(これは予備校の講師陣から賄賂を貰っているわけではなく、心の底から本当にそう思ってます。)

そういうわけで、授業には積極的に出ることをお勧めします。

浪人時の模試の結果

もう隠すものも何もないので、僕が受けた全ての記述模試の結果をここで晒しageます。

なお、偏差値と判定の横の差分は、同種の模試と比較したものです。
ひとつ前の模試ではないことに注意してください。

05月 全統記述①

浪人してから物理を徹底的にやり直し始めたおかげか、物理の成績が良かったです。
それ以外は可もなく不可もない感じですね。

05月 駿台模試①

偏差値の割には判定が結構良かったです。
しかし逆に、早慶の判定は結構渋かった記憶があります。

07月 進研記述

駿台模試とはまた違い、進研模試は全体的に判定が渋めです。
これはおそらく難易度の差から来ているものだと思われます。

07月 東工大本レ①

この模試はかなり成績が良かったです。
とはいえこれは実力だけでなく結構運が良かったのもあると思います。

なので油断は大敵なのですが、僕はここで舞い上がって夏休みをやや怠けて過ごしてしまい、あとで酷い目にあいます。

08月 東大オープン①

これに関しては何とも言えません。
東大の問題形式への対策をしていなかったので、これが当時の自分にとってどのレベルの成績だったのかが分かりませんでした。

08月 全統記述②

前回と比べて偏差値がかなりアップしました。

でも、実はこの模試、友人と徹夜でカラオケして一睡もせずに受けたんですけどね……。
コンディションとパフォーマンスには少なからず相関関係があるとずっと思ってたんですが、この結果は意外でした。

もしかして、睡眠不足を通り越して覚醒していたんですかね……???

09月 駿台模試②

数学で少しやらかしましたが、物理でなんとかカバーしました。
春からコツコツやっていた物理の成績がじわじわ上がってきていていい感じですね。

ちなみに、この模試を受けた後、数学の解答解説を見て数学の大爆死を悟った僕は、そのショックからTwitterの浪人垢を消し飛ばしました。
そして、それから30日以上ほったらかしてしまったので、本当に消えて無くなってしまいました。

10月 早慶レベル模試

これも数学で大爆死しました。
死因は、なんと「時計回り」と「反時計回り」を逆に考えていたことです。
さすがのアホさに頭を抱えた記憶があります。

あと、物理は電磁気がきしょくて手が出せずに終わってしまいました。

ここでひとつ注意ですが、この模試、受験者数が少なすぎるので、判定とかあんまりあてにならない気がします。
力試し&運試しくらいの気持ちで挑んでみるのがよさそうです。

10月 進駿記述

ここらへんで、物理以外の教科が全然安定してないことに気付きます。
やけに高かったり、かと思えば急に低くなったり……。
これを安定させるために試行錯誤しましたが、残念ながら結局あまり改善しませんでした。

10月 東工大本レ②

"夏休み 怠けていたら 大爆死"

絶望です。
いったい何をどうやって大爆死したら偏差値が10以上も下がるのだろう。
正直今でもよく分かりません。

10月 全統記述③

全統模試だけは相変わらず調子が良いです。

D→B→Aとついに一番良い判定まで来ることが出来ました。
あとはこれをキープするだけですが、これが大変です。

10月 東大オープン②

ついでに東大オープンも割と成績が良かったです。

英語は運が良かった感じですね。
物理はかなり感触が良く自身もあったので大満足でした。

11月 東工大オープン

神です。
本試では情理に落ちたのでこれが最盛期ということになります。
情理があと一歩のところまで来ていたのに、本試でコケてしまったのが本当に悔しい。

ちなみに、模試のあと、いろいろな細かいミスを見つけるたびに、「これはE判かも知れない」と考えたりして、かなり恐怖を覚えていました。
さらには、1年前のオープン模試の悲惨な結果もフラッシュバックして、余計に鬱に陥ってしまっていました。

そんなこんなで猛烈な鬱に襲われていた中、いざ蓋を開けてみるとまさかのA判で、それはもうめちゃくちゃ喜びましたね。
冊子掲載が最終目標では無いのですが、それでもこれはすごく嬉しかった記憶があります。

ところで、この模試の物理には、東工大らしくないかなり汚い問題がそれなりにあって苦しめられたのですが、今年の本試がまさにそんな感じで本当に驚きました。
もしかして、河合塾にはスパイがいたりするんでしょうか??

2つの大事なこと

ここからは話題を変えて、自分が浪人生活の中で特に大切だなと思った2つのことについて書いていきます。

1. 継続

とりあえず結論から言えば、受験において一番大切なのは、記憶力とか頭の柔らかさとかそんなものではなく、「継続する力」です。
何カ月も継続すれば、それだけの実力が付いてきます。
なので、スタートが皆より遅かったとか、実力が伸びている気がしないといった理由でむやみに焦る必要はないし、逆に成績が良いからと言って手を抜かない方がよいです。

心が折れそうになった時でも、その時の精一杯のペースでいいので、とりあえず毎日継続する。
途中で脱落してしまう人も少なくはありません。
そんな中でもとにかく毎日、毎日少しでもいいから手を動かし続ける。
10割を毎日続けることなんて無理なので、6割をずーーーっと継続するとかで全然大丈夫です。
これが本当に、本当に大事です。

自分はこれを続けて、1年間で秋オープンの成績をE判からA判に持ち上げました。

ここでひとつ注意ですが、A判でも気を抜かないようにしましょう。
自分自身、第1志望の学部にA判で普通に落ちましたし、逆にC判で受かった人もちらほら見かけました。
(結果を見たときはこれ以上ない悔しさに襲われましたね......)

要するに、A判は太鼓判ではないので、気を抜かずに最後まで継続しましょう。

2. 仲間

話を戻して、次に大切なのは、「共に切磋琢磨する仲間」です。
同じ予備校に通う人たちとかかわりあうのもいいですし、SNSを活用してみるのもありです。

自分は、同じ大学を目指す人たちとX(旧Twitter)で交流して、模試の結果をアップし合ってたりしてました。
どんな感じでやっていたかをここに書きたかったのですが、メインで使ってた浪人垢を模試で大爆死したショックで消し飛ばしてしまったので、履歴が見れないです。

皆さんも是非、モチベーションを失わない程度にSNSで一喜一憂してみてください。
ちなみに、モチベーションを失ってしまうと、1週間くらい吹き飛ぶのでご注意を。(実体験)

3つのアドバイス

次に、僕がこの1年間の浪人生活の中で感じたことや体験したことを踏まえて、これから大学受験に向かう皆さんに向けて3つのアドバイスを書いていきます。

1. 私立大も受けておこう

滑り止めを用意しておこうと言っているわけでは無く、こう言ったのには別の理由があります。

自分自身がそうだったのですが、受験シーズンの初戦というのはかなり緊張してしまうものです。
もしその初戦が本命の大学だったら……どうなるでしょうか?
緊張で頭が真っ白になったり、手が震えたりして、試験どころではなくなってしまうかもしれません。

そういうわけで、本命の試験で自身の実力を大いに発揮できるように、まず私立大を受けておくことをおすすめします。

ちなみに、僕は一番最初にK大を受けたのですが、そのあまりのプレッシャーによるストレスからなのか、試験中に腹痛と吐き気に襲われました。
単に自分の演習不足が原因だとは思うのですが、結局その大学には落ちました。

2. 正しい生活習慣を心がけよう

できれば日付が変わるころには布団に入るのが望ましいです。

僕自身は、予備校の授業がある頃には0時寝8時起きくらいの生活を続けられていたのですが、共通テスト以降は予備校の授業が無かったことから、かなり夜更かしをするようになってしまいました。
そして迎えた本試前夜、夜が深くなっていくにつれてだんだん覚醒していき、結局眠りについたのは2時過ぎでした。

さきほど挙げた模試の結果では、睡眠時間と成績はあんまり関係ないように見えたかもしれませんが、それでも睡眠は大事です。

特に慢性的な睡眠不足になると、パフォーマンスは大幅に落ちてしまうでしょう。

3. 記述模試には積極的に参加しよう

おそらく自分は、自分が通った予備校の中で今年度最も多く記述模試に参加した人だと思います。(数えてみたところ13個でした。)
山陰地方の限界地方都市に住んでましたが、駿台模試は神戸まで受けに行ったし、自分が通った予備校でも受けることのできた秋の個別大オープン模試は、わざわざ東京まで飛行機を使って受けに行ってきました。

なぜかというと、本番に近い状況(会場の規模や人数など)で試験を受けることに慣れておくためです。

去年、東工大の二次試験を受けた際、あまりの緊張感や会場の雰囲気に圧倒されてしまったし、一番最初の科目である数学の第一問があの伝説的な難問(少し誇張しすぎたかな?)であったために調子が狂ってしまい、それ以降も本調子を出すことが出来ずに終わってしまったということがありました。

この反省を生かして、今年は外部の人が多い場所で模試を受ける機会を増やしました。
これのおかげかどうかは分かりませんが、今年はそれなりに落ち着いて受けることができました。
(今年の物理にはかなり動揺してしまいましたが……)

さいごに

最後に、これからについて少し書きます。

先ほども述べたように、僕は、志望大学には合格することが出来たものの、第1志望の学部には落ちてしまいました。
(成績開示まで分かりませんが、敗因はおそらく激難化した物理で他の人たちと差をつけられなかったことだと思っています。)
秋の個別大オープン模試では念願の冊子掲載を果たし、かなり自信を持っていただけに、より一層悔しさを感じる結果となりました。

とはいえ、ずっと落ち込んでいるわけにもいきませんし、これは何かのチャンスかもしれません。
「この世界は自分中心に回っているし、自分によって最も良い結果をもたらす選択肢に常に向かっている」と僕は考えているので、とりあえず前を向いてこれからも頑張っていこうと思います。

ちなみに、今は履修登録に追われており、めちゃくちゃ分厚い案内冊子や公式サイトの資料をひたすら読みながら作業しています。
これが本当に大変で、選択科目については何を取ればいいのかさっぱり分からん状態になってしまってるので、皆さんはお早めにネット等で情報を集めておくことをお勧めします。
特にSNSで先輩のアカウントを見つけてフォローしておくと、後で結構役に立ったりします。

以上です。
ここまで長い文章を読んでくださりありがとうございました。

終わりになりますが、自分は高校2年生の時からこの大学を志し、浪人してからも貫き続けました。
皆さんも是非、自身の本当の志望校を貫き通し、日々の継続を積み重ねて合格を掴み取ってください。
心から応援しています。

2024/04/11 YuHima

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