【寄り添いレポート4】「みんな死んでしまえばいいんだ」をゆるすこと

どうも。

寄り添いレポート4です。

昨日のことです。
ある大学生から、これからの生き方について
相談を受けていました。
※性別がわからない形で書かせていただきます。

半年前に出会ってから
5回程度の電話と
2回程度の対面での
対話をしていての、昨日、でした。

付き合いとしては半年だけ。
回数は合計2桁もいかない程度。

それでも毎回話す内容は
その子が自分自身と向き合う、辛いことばかり。

家族のこと、過去の経験、今置かれている現状
自分が苦手なこと、できないこと
これから描いていることとその不安…

そんなことばかりでした。


僕がよく表現として使うのですが

人は開けたくないブラックボックスを
心の中に持っている

と思っています。

開けたくない、というより
その存在にすら、気付きたくない
絶対に向き合いたくない
こわいこわい存在。

過去の辛い記憶、というよりは
その時に持っていた感情の部分。

彼にもそれはありました。

深く、暗く、じめっとしたところに
その暗さになじんでしまって
絶対に気付くことのできないボックス。

気付いたとしても
フタは重く、頑丈にしまっていて
鎖でがんじがらめにされているボックス。

昨日はそのボックスが開いてしまいました。

彼のボックスに入っていたのは『怒り』

「なんでみんな裏切るの?」
「こっちが困った時だけいい顔して、すぐに捨てる」
「しょせんみんな自分が一番かわいいんだ」
「誰も他人のことなんか考えちゃいない」
「信用、なんてものはきれいごとでしかない」
「どんなに時間が経とうと、深く話をしようと信用なんて無理」
「みんな死んでしまえばいいんだ」
「この世なんてなくなってしまえ」

そんな『怒り』でした。

誰にも見せたことのない、その感情。
でも普段から人と会うたびに
言葉を交わすたびに感じていたモノ。

彼はやっとそのブラックボックスを開けて
『怒り』と向き合うことができました。

普段、会話の中で素敵な笑顔を見せて
コミュ力が高いと言われていて
企業のインターンなんかもそつなくこなす
できるやつ
人の話を聴くのも上手で
イベントではピカイチの
ファシリテーションをできるやつ

そんな定評のある彼が
実はそんな『怒り』を抱えて
生きていたのです。

その言葉を発している彼は
顔を見せてくれませんでした。

顔を見せてしまうと自分が自分でいられなくなってしまう
何かが壊れて、もう一生なおらなくなるかもしれない
そんな不安を抱えた行動だったように思います。

「それだけ?」
「まだあるんじゃない?」
「もう隠さなくていいよ。頭の中にあるもの全部出しな?」

僕はしきりにそう言いました。
まだ隠している、もっとあるはず
彼の醸し出すオーラがそう語っていました。

「土橋さんだって絶対そう」
「私のためにやってくれてるふりして
ほんとは土橋さん自身のためにやってるんだ」
「信用できるわけないじゃん」
「そういうのも全部むかつく。全部。」

やっと吐き出してくれました。
絶対に言いたくない、言えるはずがない
と心に決めて、隠していた気持ち。

目の前にいる相手に
「お前を信用していない」
と言うこと。

普通そんなことできるはずがありません。
でも彼にはそれが必要でした。

相手を傷付けまいか、自分が悪く思われないか
そのすべてを忘れて
自分の気持ちに向き合い、素直になって
口から言葉として出すということが。

ボロボロ涙を流していました。
その時の彼の表情は
『怒り』ではなく、『悲しみ』で
あふれていたように思います。

「信じなくていいよ。だいじょうぶ。
だって無理だよね。ずっと裏切られてきたんだもんね。
誰にも頼ることができず、誰にも本音を吐き出さず
ずっと一人で生きてきたんだもんね。
無理して信じなくていいよ。
ただ、ずっとそばにいるから、だいじょうぶ。」

そう伝えるとさっきとはまた違う涙が。

涙には色があります。

寂しい色、悲しい色、怒っている色、切ない色、嬉しい色…
いろんな色があります。

彼のその時の涙の色は今までと違っていました。

何かスッキリしたような。
何か新しいものが見えたような。
不思議な感覚になっているような。

聞いてみました。
「土橋を信用できないって言ってたけど
それは、本当に土橋を信用できないのか
それとも『土橋さんならもしかしたらって思ってるけど
信用してまた裏切られるかもしれないと思うと
それがこわくてこわくて仕方ないから
信用しようとする自分をなかったことにしようとしてる?」

自分の本当の気持ちと向き合う時間。
また違う涙が流れていました。

すごく辛い。だって怖いから。

今までずっと裏切られてきた人生。
またそれを繰り返すのかもしれない。

かも、じゃない。絶対に繰り返すことになる。

だから人を信用することはやめた。
人に期待することはやめた。

なのに、まだ信じようとする自分がいる。
信じてもいいかもしれない、そんな人が現れた。
この人ならもしかしたらって思っている自分がいる。

絶対にそんなことないのに。
無理だ。この人も今までと同じはずだ。

絶対に裏切られる。また自分が苦しくなるだけだ。
だから、信じない。信じたくない。
でも……。

その気持ちに気付いたようでした。

そのあとの話は長くなるので
このあたりで終わりにします。

そのあとは、一緒に泣いて、一緒に笑う
感情をそのままに出して、共感しあう
そんな時間を過ごしました。

最後には
「ありがとうございます。
初めて人の愛情を素直に
受け取ることができた気がします。」
と、なることができました。


これを読んでいるみなさんにお伝えしたいのは
人に寄り添う時には
その本人が気付いていない言葉
本人が向き合おうとしない、背景にある感情
を察することが大切、ということ。

そして何より、彼らが求めているのは
お金でも、時間でも、言葉でも、モノでもなく
愛情だということ。

無償の愛、を求めているということ。

ずっともらうことのできなかった
自分をただ愛してもらうということ。

彼らの感性は研ぎ澄まされています。
今まで苦しんできた分、人の感情に
敏感になっています。

だから、そんな彼らに寄り添う時には
一瞬たりとも、1ミリたりとも
こちらのメリットなんか考えちゃいけない。
考えちゃいけない、じゃない
感情レベルで持ってしまってはいけない。

その瞬間、彼らはそれを感じ取って
全てが崩れ落ちてしまうから。

だれのため、なんのため
そんな余計な考えはいらない。

ただ目の前のその人を愛すること。
これは言葉で簡単に説明できるものではない。

愛、というのは
言葉で語り切れるものではない。

感じることでしか、愛はそこに存在しえないのだと思う。

彼らはその愛を求めている。
だから、人に寄り添うことをするときには
まずその人を愛してあげてほしい。

余計なことは全て忘れ去って
ただただ愛してあげてほしい。

あなたが今まで生きてきた中で
愛を感じたときの、その相手がしてくれたように。

あなたを愛してくれたその相手のように
同じく、愛してあげてほしい。

悲しみも、怒りも、喜びも、嫉妬も、寂しさも
すべての感情を許して、受け入れて
ただただ愛してあげてほしい。

人の愛し方、なんて
誰かに教えられる身分でも
人に説けるわけでもないけれど
でもたくさんの愛を感じてこられた人生だったから
もらった愛情をそのままに
僕も人を愛していきます。





まとまらない感じになってしまったなーと
反省しています。笑

でも、僕はこんな感じです。

「愛」とか「愛情」とか言うと
「大丈夫?」「病んでる?」とか言われますが
これが通常営業ですし
僕はこれからもこれと向き合っていくので
おもしろそうだなって思ったら関わってください。
つまらん、なに言ってるんだ土橋、と思ったら
離れてもらって大丈夫です。

寂しいですが、人生ってそんなもんだよな
とも思っています。

彼も僕もそうですが
「病んでる?」とか「真面目だね」「考えすぎじゃない?」
という言葉で、たくさん人に壁を置かれてきました。

いや、おそらくその言葉を使っている人は
まったく壁を置いているつもりは
ないのでしょうが
こっちは勝手にその感覚になります。

もし、ちゃんと人と関わりたい
深い話をできるようになりたい
そんなことを思う人がいたら
ぜひその言葉を使わないことをオススメします。

「それでそれで?」「あ、たしかに。」
「私はこう思うけど、どう思う?」

そんなふうに話を聴いてくれる人が
話を深く掘り下げてくれる人のほうが
少なくとも僕は好きです。

とは言え、言葉、というより
その言葉にどういう気持ちがこもっているか
のほうが重要なので
上のような壁置き言葉を使うことが
絶対悪だとは思っていません。

どっちだよって感じですよね。
ごめんなさい。笑

これからもこんな自分ですが
いいなと思ったら
どうぞお付き合いください。

それとそんな愛情を届けられる
居場所をつくれたらと思って
不登校で、一人さびしい想いをしている彼らのために
今度イベントを実施します。

「あー、この流れでイベント告知とかやらしいなー」
とか思いながら、やったほうがいいなと思ったので
載せます。

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