「直感」文学 *ほとぼりが冷めるまで*
どこまで時間が進めば、
僕たちはまた同じ空間、同じ言葉、同じ気持ちを、共有出来るのだろうか。
マコは、いつ僕をまた、その優しい手で受け入れてくれるだろうか。
彼女が僕を拒否してから、一ヶ月が経とうとしている。
一ヶ月だ。既に一ヶ月も経ってしまっているのだ。それなのに、彼女からの連絡はない。
「少し時間が欲しいの」
マコはそう言って僕を拒絶した。僕はその言葉を上手く理解することが出来ずに、ただ呆然と立ち尽くしたまま、「え?なに?」とただ意味もなく聞き返してしまったのだった。
マコは俯いてから、僕の元から去っていったのだった。「ごめんね」という言葉だけがそこには残っている。
それから、僕がそれを本当の意味で実感したのは、彼女が僕の元を去ったその日から一年が経った頃だった。それまで僕は、ただ何かの勘違いだろうと、事実を根底から信じようとさえしなかったのだった。
それから一ヶ月。正確には、彼女が僕の元を去ってから一年と一ヶ月が経っていた。
僕は未だ、マコという存在に縛られたまま、どうしようもなく、苦しくなる一方だった。
僕はどうしたらいい。僕は何を求めたらいい。
きっとそれを知っているのは、今どこにいるかも分からないマコだけなのだ。
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