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知ると楽しい革の顔

現在、アパレル業界やものづくりの世界では天然・人工問わず多くの皮革製品が生み出されています。
中には一見して天然素材と見分けがつかないような精巧な合皮もありますが、それでも天然皮革と合皮との間には明確な違いがあります。

それが、革の個性です。
生前さまざまな一生を送った動物たちから成り立つ革には、独自のストーリーが刻まれるのです。

レザーブランドではよく『革は生き物』と言われます。詩的な表現に思われるかもしれませんが、日々、革に携わる人にとっては頷ける言葉です。
そのくらい、革には個体差があり、また、天候や環境により、刻一刻と状態が変化するからです。
しかし、普段何気なく皮革製品を見ているだけではそこまで個体差があるようには思えない…そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。
天然素材であることは間違いないけれど、人の手によって加工される以上、個性が残るのか、と。
財布やバッグといったアイテムの中にどこまでその表情を残すか、というのはプロダクトを手がけるブランドによって方針が異なります。
お客様の中にも、革本来の表情に近い状態を好まれる方、なめらかさや均一さを好まれる方、とそのお好みは人それぞれ。
そもそもは動物の皮膚であった「skin」は、鞣しを代表とする様々な過程を経て「leather」として生まれ変わります。
もともと持っていた表情に加え、この過程でどのような加工がなされるかにより、革の「個性」が決まってくるのです。

作り手の意図に寄り添ってニュアンスの変化する「革」という素材ですが、yuhaku では生来の個性をほどよく残した革を多く取り扱っています。
繊細な美しさの中に感じ取れる、生命の証。
その個性は染料を用いた独自の染色や、磨きや艶出しといった仕上げ加工を経てなお、たしかに息づいているのです。
中でも、「自然の模様」として人気の高いふたつを、実際の製品を例にご紹介します。

シワ・トラ

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表面にスジのように入っているシワ。平行して何本も走る長く太いシワは「トラ」と呼ばれています。動きの多い、首や肩などの部位によく見られます。

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よく見ると立体感も。

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美しく映える方向を見極め、裁断しています。


血筋

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皮膚のすぐ下にあった血管の痕がそのまま表面に現れた、細かく広がるスジ模様。皮膚の薄かったところなどによく見られます。

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稲光や、葉脈のようにも感じられます。

ここに職人の手による染色、使われていく中での経年変化が加わり、さらに唯一無二のストーリーが紡がれてゆくのです。

『革は生き物』

そんな言葉を、目で見て、触って感じられるyuhakuの製品を、Ginza Galleryでぜひお楽しみください。

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