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休校中の授業の鉄則7つ:最大の目的はFoundationづくり(前編)

化粧をする人なら分かるのですが、プロと一番差が出るのがファンデーションです。薄く薄く重ね、限りなく自然でありながら美しい基礎を作ります。まさに休校中の目的はそれでした。授業も研修も、塗り込めるでもなくガチガチに重ねるでもなく、薄く薄くレイヤーを重ねたつもりです。

前回のブログではこんなことを書いていました。

その何でもは技術だけじゃない
その何でもは何かを飛び越えない
その何でもは気持ちにだけ寄り添う

少し、中身を振り返ってみます。何が正しいとか間違っているではなく、備忘録として。

Foundation 1)技術的にできることは本当に必要なことか問い直す

技術的に可能だからと言って、それを使うことがベストとは限りません。Google Classroomや、Edmodo、Quizlet、Padlet...便利なアプリやサービスを数多く紹介してきました。どれを使えばいいですか?とよく聞かれますが、どれを使っても上手くいくと言うわけではありません。

むしろ、本当に大事なことをするためにはサービスを絞り込むこと。今回は、Google Classroomでのホームルーム、Meetでの朝礼・お祈り、テキスト終礼、宣言して黙々タイムをとるだけの自習室、双方向授業は英語だけに絞りました。アプリでいうと、上記の二つプラスYoutube, Google Slide, Document, Form,まとめるGoogle Siteだけのシンプルなもの。ADE(Apple Distinguished Educator)としては物足りないかと言われると、現時点ではどうでもいいと考えています。

Foundation 2)スキルベースを念頭に置く

授業はクラスによって異なりますが、特に担任であるクラスはスキルとマインドの醸成だけをベースに授業を行いました。ざっとこんな感じです。

・See-Think-WonderとCompare-Contrastの基本
・常に和やかに、にこやかに、ネィティブ教員とペアで
・生徒自身を引き出すテーマ設定:Stay home ideas, Favorite Books, Music
・全員が理解できた、何か持ち帰れたと思える深度と進度
・生徒が選んだテーマや本から導く文法
・集合知の楽しさを知る
・ペア学習における会話の始め方など基本動作

Foundation  3)ひとさじのクリエイションを

前任校のように一人一台のiPadなどはありません。半分がスマホ、半分の学内生は自分のPCからの参加です。ですが、できることはあります。My Favorite Bookのテーマではこんな風に進めてみました。

・Google Slideで自分の好きな本を紹介し、Meetでプレゼンテーション
・好きな本から3文ほど選び、背景の説明後英訳にチャレンジ
・英訳を絵と音声をつけて動画にする

一人一人の作風は全く異なるだけでなく、目を見張るような美しい作品も登場しました。iPadがなくても結局アプリの合わせ技や色鉛筆、折り紙の創作でいくらでもできるのです。

Foundation  4)結局休校明けにどうなって欲しいのか

いつも授業をデザインするときに心を砕くのはこの一点です。どんな空気感の教室で生徒がどんな気持ちで座っているのか。何が身についていれば学びが加速するのか。それで行くと、答えは見えてきます。普段の授業通りの形をオンライン化するのはあまり意味がありません。個人的には、範囲を進むことを学校からどれだけ求められても、それを優先はしません。

むしろ、高校1年生がこれから学びを進める上で、「自分も高校でやっていけそうだ」「少し楽しみになった」「新しい形で学んでみたい」「友達に興味が沸いた」「勉強ってこんな形もあるのか」といったことに気付けば、休校明けに少し成長して授業に望むことができます。

さいごに

長くなってきたのでいったん閉じて続きの3つはまた次回とします。こんなことが知りたい!と言うのがあれば、スライドも公開しますのでFacebookなどで聞いてくださいね。今後いつ休校になるかもわかりませんし、ロックダウンする可能性もゼロではありません。

再開はしましたが、油断せず、でも生徒の前では極力笑顔で。がんばりましょう。







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