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採用ピッチ資料(会社紹介資料)の作り方_デザイン

本記事はこちらの記事の3記事目です。採用ピッチ資料のデザインについて書きたいと思います。といっても私はデザイナーさんでもなければ、あいにく天性のセンスもありません。そのためこの記事の主張は「デザインで惹きつけよう!」ではなく「伝えたいことが伝わり、作成・メンテナンスしやすい資料を目指そう!」です。

具体的にはテンプレート先に作ろうぜって話と、図の使い方だけは気をつけようという内容です。

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▶ 先に結論

・採用ピッチ資料のサンプルスライド
これに当てはめれば最低限のものが作れるかも?というサンプルスライドを作りました。最初の一歩が踏み出せない場合はよかったら使ってみてください。

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サンプルスライド

・社内MTG用のドキュメント
スライドに落とす前の、社内MTG用のドキュメントも置いておきます。こちらもよかったら使ってみてください。

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社内MTG用のドキュメント

▶デザインを作る

ここまで中身、構成と作ってきました。最後にデザインを作っていきます。ピッチ資料はパワポややKeynote、Googleスライドなどスライドで作ることが多いかと思います。その場合デザインが負担になりやすく、中身も構成も整えたのに"デザインに引っ張られる”、”デザインで迷子になる”といったことも起こりがちです。そのためデザインはテンプレで数パターンだけ用意し、あくまで中身を載せるハコとして最低限に留めます。

もちろん、デザイナーさんに協力してもらえるなら協力してもらうべきでしょうし、クオリティは上げるべきです。ただし、デザイナーさんに依頼するにしてもスライドごとにオートクチュールでデザインするとコスパが悪いので、デザイナーさんにはテンプレの作成をお願いした方がいいでしょう。

つまり、全スライドを作り終わったあとにデザイナーさんに「最後これ綺麗にして!」は悪手です。これをやってしまうと、ページの追加やらちょっとした変更やらメンテナンスが一切できなくなります。部分的にいじると非常に目立つからです。ピッチ資料は随時アップデートしていくものですので、テンプレ化し(何回言うんや)デザインがネックになることは避けましょう。

またデザインには図、文字、色、大きさ、それらの配置など要素や関係がいろいろありますが、採用ピッチ資料はスライド形式のため特に「図」の使い方が重要だと思います。フォントや色使いの話ももちろん重要ですが、図についていくつかアンチパターンや工夫を考えてみます。

スライドを作成するにあたり、以下のようなことは釈迦に説法かもしれませんが大前提として。

・1スライド1メッセージ
・文字数を少なくする
・「など」、「いろいろ」、「さまざま」といった濁し表現を少なく
・社内用語、専門用語は使わない

資料のボリューム

まずは資料のボリュームについて考えてみます。世の中の資料を見てみると以下のようなボリューム感です(これ見た時が割と前なので、細かい数字は信頼しないでください)。他社よりもあまりに分量が多いと「うっ」となりますので、多くとも40枚前後が限度がよいと思います。また昨今はそもそも採用ピッチ資料を作る企業が増えたのでできれば30枚程度に収めるのが良いでしょう。ページが多い場合はドクターズプライムさんのように一枚に入れる要素を少なくしスピード感をもって読める資料にしましょう。

<参考:各社のスライド数>
・SmartHR:74
・ミラティブ:40
・Lang-8:47
・弁護士ドットコム社(クラウドサイン):63
・ドクターズプライム:80
・HRBrain:40
・メドレー:54
・Ubie:62
・iCARE:22
・LAPRAS:46
・HERP:33

また一記事目でも書いたとおり求職者のタッチポイントや用途によって調整するとなお良いです。Web公開やスカウトへの掲載、エージェントへの配布といった認知獲得・興味喚起の段階ではより枚数の少ない資料とし、カジュアル面談の説明資料や選考中の検討資料として渡す場合は詳細が書かれた枚数の多いものを用いるとよいでしょう。現実的には一度まるっと作成した後で、認知獲得・興味喚起の段階でシンプルバージョンにすることが多いと思います。

▶▶テンプレートを作る

ページごとにデザインを変えず、テンプレートを作ろうということは冒頭でも述べたとおりです。そして概ね3つのパターンがあれば十分対応できるかと思います。採用ピッチスライドでは主に以下の役割が必要です。

・主張を際立たせる
・詳細情報を伝える
・非言語情報を図で伝える

これらを表現すれば以下のようなスライドを用意しておけばよいでしょう。

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▶▶ 図をうまく使う

- 図の使い分け
スライドではできるだけ図をたくさん入れる方が良いでしょう。ただし、グラフ / 図解 / イメージ画像では役割が違いますので、単に図を入れればいいというわけではなく、これらの使い分けはきちんと意識したいです。

・グラフ:数字によって量や比較を説明に使いたい時
・図解、図示:構造・関係を説明したいとき。図が主であり文字は補足
・イメージ画像:言葉で示せない内容を想起させたいとき。図は補足

図は何らかの情報を文字よりもわかりやすく伝えることが目的ですので、その図が何の目的で入れいているのか、その目的に対し図の表現は適切かは改めて考えてみてください。以外に適当に図を入れているケースも多いように思えます。

 - 図解を使う
採用において、割と発生する障壁が「事業がいまいちよくわからない」です。これだけITサービスが広く普及しコモディティ化し、バーティカル化し..となってくれば簡単に説明できるサービスの方が少ないでしょう。複数の事業を展開していたり、CtoCtoBなど複雑なビジネスモデルであったりすると、そもそもステークホルダーは誰がいるのか、どうやってお金を稼いでいるのか、強みはなにか、市場はどこか、事業の展望はどんな軸か、といったことが連想しづらくなります。興味のない企業でそこがイメージできなければその他の組織や文化が魅力的でも総合して刺さりにくくなります。よく言われることですが、理解できる情報の中に少しでも理解できない情報があれば割とそちらに引きずられますので、「事業がいまいちよくわからない」でひかっかることはかなり損です。この際にテキストでは説明が難しくとも図解であれば理解させることが容易になりますので、採用ピッチ資料の最大のメリットはこの図解ができることだと言っても過言ではないと思えます。

▶資料作成のディレクション

デザインの作成についてはあまり書くことがなかったので、余談程度に採用ピッチ資料作成のディレクションについて書きます。

- 社内MTGでは発散と収束フェーズ使い分ける
社内MTGでアイデアを出し内容を固めていく際に、発散と収束フェーズをうまく使うことがおすすめです。ここらへんはファシリテーションの話になりますが、時間をそれぞれくぎってパートを分けることでアイデアが出やすいです。人事担当者は良きファシリテーションができることもスキルの一つだと思いますので、現場から意見が出やすいMTGを設計されてください。これはMTG用のドキュメントにも記載しています。

- 各オーナーを決める
採用ピッチ資料をつくるに当たって、採用担当者だけでなく、広報担当や現場、役員や代表なども関わることになることが多いでしょう。このときに、アイデアだけがたくさん出て「これ誰が最終的に決めるんだっけ?」と中に浮くことがあります。そのため、事業や組織の説明について、それぞれ最終的に内容を確認するオーナーは必ず決めておきましょう。反対に「私はこれで良いと思うけど、一応他の人にも確認しておいて」などと、回覧板のように関係者全員のOKがでなければ公開できないような進め方をすると、確認作業に非常に手間がかかりますし、「ここもうちょっと違うメッセージにできない?〇〇を変更してみてもよいかも?」などとアドバイスをもらっても最終的に決めきる人間がいなければ、延々と修正を繰り返すことになります。それぞれの情報について「この情報の正誤・表現チェックは誰がオーナーーを持ちますか?」と聞きましょう。



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