アンジュルムはロックを体現し続けるか
ロックという文化の切り口でアンジュルムについて述べる。(音楽性としてのロックと文化としてのロックは不可分だが、視点は異なる)ハロー!プロジェクトは、垣間見えるロックの空気無しには語ることができないと思う。
私はロックキッズの端っこにいたことはあってもただの人なので、勘違いを多分に含むことは了承願いたい。
ハロー!プロジェクトの始まり
そもそもハロー!プロジェクトの原初、モーニング娘。は"シャ乱Q女性ロックボーカリストオーディション"の落選者からのスタートである。
シャ乱Qは大阪のワーカークラスの香りを濃厚に漂わせ、つんく♂の歌詞は東京、すなわち中央への憧憬とともに対抗意識、レジスタンスが滲んでいる。ロックとはレジスタンスである。また、"上・京・物・語"はシャ乱Qにとって重要な曲である。
(この中央に対するレジスタンスによるロック性には確実に副作用としてのダサさという問題をはらむ。都会的ではありえないのである。ここでは副作用には目を瞑ることにしたい)
ロックたる、宿命を持つハロー!プロジェクトのなかで、現在最もロックを体現しているのがアンジュルムである。
どん底から這い上がる
アンジュルムの歴史はどん底から這い上がることから始まっている。ライブハウスも埋まらない停滞から抜け出せずにいたところから、改名し起死回生を図る。まさにロックヴォーカリストであるところの、中島卓偉の曲"大器晩成"とともにアイドル界でレジスタンスを始めた。(中島卓偉もまた九州からの上京経験を持つ)
そんなアンジュルム以前からの歴史を知る最後のスマイレージ、竹内朱莉が卒業した。
アンジュルムはこれからもロックを貫くのか。そのキーになるのは、川村文乃だと、私は思う。
川村文乃の脱藩物語から
川村文乃の上京(脱藩)時の"お金持ちになりたい"に込められたハングリー精神はロックでなくてなんだろう。(非常に心動かされる映像なので、見ていない人は映像を探して見てほしい)川村文乃は常に上を目指すことを自らに宿命付けた人物であり、現状からの脱却を目指す。
この人がアンジュルムのサブリーダーとして働くならば、アンジュルムはロックであり続けるはずである。これからのアンジュルムの行方を追うには、川村文乃の動きを見落とすことはできない。
そんなことを横浜アリーナの竹内朱莉 Final Live を思い出しながら思った。
Final Liveのオープニングは"ぶっ壊したい"(作詞・作曲 中島卓偉)だった。
Break it Down.
げんぱく
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