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「萌え」を捨てたオタクたち

皆さまこんばんは、弓削彼方です。
たまにはオタクらしい話をしようかと思います。

「萌え」とは何か?

一昔前のオタクは「萌え」と言う言葉をよく使っていました。
オタクが愛するゲームやアニメなどのキャラクターに対して、可愛いだけではない、好きだけではない、愛しているだけではない。
そう言う好意に属する感情を一つにまとめて練り上げて、そのキャラクターに対する最高の誉め言葉と愛情表現の言葉として使われてきました。
これがオタクが長い間使って来た「萌え」と言う言葉です。
私の細い記憶を辿れば今から20年以上前、ときめきメモリアルを代表とする美少女ゲームや恋愛シミュレーションゲーム(俗称ギャルゲー)が流行った頃から使われていた言葉だったと思います。

「推し」や「担当」に変わった愛情

最近になりますと、萌えと言うのをあまり聞かなくなりました。
代わりに出て来た言葉が「推し」「担当」です。
様々なアイドル育成ゲームが勢力を伸ばし、また特に有名なアイドルマスターシリーズが長く続いたおかげで、好きなキャラクターをただ好きなだけではなく、彼女らに近しい人物であるプロデューサーとして見守り愛でる、そんな立場が確立されたおかげで「担当」と言う言葉が広く使われるようになりました。
実はこの言葉も遥か昔、初代アイドルマスターの頃からなかったわけではありません。
ただその頃は、まだオタクの間では「萌え」を使う勢力の方が大きかったのです。

初代アイドルマスターと同じ頃、ゲームやアニメの世界だけではなく、リアルの世界でも「愛」や「恋」ではないが、応援し手助けしたい女の子が出て来る機会が増えてきました。
有名なAKB48がまさにそれですが、ゲームの世界とは違い彼女達を見守るプロデューサーは現実世界に別にいます。
そこで「担当」と言う言葉とは違う、「推し」と言う言葉が出てきました。
彼女達の誰かを他人に推薦したいと言う「推し」と、その子をグループ内でのより上位へと「押し上げたい」(推しと押し)の両方の意味を兼ねることができる言葉だったのです。

最近ではゲームの中のキャラクターと違い、明確に自分の意思を持って活動している非現実なバーチャルの存在。
俗に言うバーチャルユーチューバー(VTuber)にも、この「推し」が使われるようになりました。

このような流れの中で、「萌え」と言う言葉は徐々に使われなくなり、現在は「担当」や「推し」と言う言葉がオタクの間では多く使われるようになりました。

衰えぬ「嫁」の存在

古いオタクの皆さんであれば覚えているでしょうが、萌え以外にも当時からオタクが使っている愛情表現の言葉がありました。
「嫁」と言う言葉です。
当時のオタクには1:1協定がありましたが、中には「世にあるアニメやゲームの中で多数の女の子が存在すれど、我が愛するのはただ一人である」と言う猛者が居ました。
そんな猛者が使っていた最高の愛情表現の言葉が「嫁」だったのです。
こう言う経緯を知らない若造が「嫁」と言う言葉を乱発することもありましたが、「嫁」とは現実世界の嫁と同じく、他の女の子に浮気をしないと言う(自分勝手な)制約のもとでたった一人の女の子を選んだ猛者が使う言葉だったのです。

しかしながら最近では、「嫁」と言う言葉の意味が少し変わって来たようです。
これは特にゲームのシステムとして、信頼度や愛情度のようなパラメーターが上限に達したキャラクターと、正式に結婚(もしくは類似する行為)が出来るようになったことが大きいでしょう。
課金アイテムとしのて結婚指輪(その他類似するアイテム)を購入して使用することで結婚ができ、そのキャラクターの能力値が底上げされる場合が多いようです。

同時期に使われていた「萌え」と言う言葉を聞く機会は減りましたが、「嫁」の方はシステムとして実装されたことにより、今でも使われ続けているオタクの愛情表現の言葉です。

時代の流れの中で

古い時代に使われた「萌え」と言う言葉は少しずつ使われなくなり、「嫁」と言う言葉はシステムとして実装され今も生き続けています。
また「萌え」に変わる言葉として、「担当」や「推し」と言った、より明確な言葉が使われるようになりました。
また個別のキャラを対象にしているわけではありませんが、AとBと言うキャラを関係性を指して「尊い」と言う言葉も使われるようになりました。
かつては「この二人のやりとりは可愛くて萌える」と表現されていたものが、「この二人の関係は尊い」と言う感じで使われています。
言葉と言うものは時代によって少しずつ変わっていくものです。
今後もまた「担当」や「推し」と言う言葉に代わる言葉が出て来るかもしれません。
それを楽しみ、それを受け入れるのがオタクの生き方なのかもしれません。


今回の話はここまでとなります。
私個人としては、ゲームのシステムとして結婚が導入されたことにより、堂々と「嫁」と呼べるようになった今をありがたく思っています
それではまた、次回お会い致しましょう。



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