KMNZ が上海蟹を食べる街は何処か
シティ、ストリートへの漠とした憧れ。
KMNZ とは
KMNZ は LITA , LIZ そして KMNZCREW のユニット、あと Twitter 芸人。
Twitter 芸人はさておき、彼らの特徴はカバーする曲に表れている。
二人で歌っている曲も多いけれど、基本的には LITA がポップス 、 LIZ がボカロやアニソンの曲を上げている。LITA の声が好き。
勿論どちらの選曲も素敵なのだけれど、 LITA の歌うポップスは「これがシティポップの系譜、歴史だ」という主張を勝手に読み取ってしまうような素晴らしい選曲で毎回楽しみにしている。LITA の声が好き。
それで先日、LITA のチャンネルに新しい動画が上がっていた。くるりの『琥珀色の街、上海蟹の朝』だった。正直驚いた。
くるりは『琥珀色の~』を出すまでシティポップに相当する曲を作ってこなかった。そしてこの曲について、ボーカルの岸田は「キラキラしたシティのイメージはもはや幻想ですらない」とシティポップへの皮肉と受け止められる話をインタビューで語っていた。LITA の声が好き。
シティポップの歴史をカバーする、と勝手に感じていたところにそんな曲がやってくるものだから面食らってしまった。どう受け取ったものか。LITA の声が好き。
この街はとうに終わりが見えるけど
" 例えば、都市文化、街角文化的なものが、インターネットやSNSに取って代わられてる印象もありますし、東京っていう都市の象徴みたいなものの実体もかなり危うい、あるいは見えにくい状況やなって。 "
――上記インタビューより
地方在住者である我が身には、東京という地域の持つ引力がまだ……どうだろう。たまの出張で Google Map を睨みながら行くそれ、盆暮れに新幹線を乗り換える時に見上げるそれは、シティやストリートという言葉で括られる何かと関わりがあるのだろうか。
『琥珀色の~』は 2016 年の曲だ。当時の東京の雰囲気は良く分からない。とはいえインターネットの向こう側、最前線に立つ友人たちは既に東京に縛られない活動をしていたことを覚えている。それは中国大陸だったりアメリカ、オーストラリア、インドネシア……台湾旅行には誘われた。仕事を辞めたらな。ここではないどこか。そこへの幻想はもはや東京には収まらない。
そういえば、KMNZ たちは『けもみみの国』からやってきたらしい。
上海蟹食べたい
けもみみの国、それは何処にあるのだろう。ラジオなんかでは話しているのかな。もしそうなら教えてほしい。
インターネットの向こう側、はたまた VR の世界の先。けもみみの国ではどんな音楽が流れているのだろう。シティ感、キラキラした、バブリーな感じ。そういうものは漂っているのだろうか。僕らの幻想がそこにあるのだろうか。新しいシティポップが。
長い夜を越えて、終わらないダンスを朝まで踊って、太陽を拝む。琥珀色に輝く街。ようやく気怠く朝市を流す。屋台には上海蟹が並ぶのだろうか。食べてみたいな、上海蟹。まぁ俺はダンスなんて踊れないんだけど。
やっぱり LITA の声が好き。
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