見出し画像

新しい家族のカタチ  (番外編:ロストケア)


3月23日から映画公開。
松山ケンイチさんの自白シーンが見てみたい気がしています。

原作とはちょっと、ストーリーが違う気が…。

『ロストケア』 :      葉間中 顕

Check this out!


死刑を覚悟しながら老人を42人殺害すると言う、ミステリー小説です。

ミステリー小説として、とても面白かったです。
これからの更なる高齢社会や、介護の現場が書かれた社会派ミステリーで、介護士が交わす言葉や、介護にするにあたり「何だかな〜。」と思うこともリアルで、ミステリーを読んでいるのを忘れてしまいます。
とてもリアルなので実話ではないかと言われるほど。…実話ではありません。
歳を取らない人は一人もいない訳で、一度これからを考え、自分なりの覚悟を検討するために読んでみる事をお勧めしたい一冊です。

このストーリーには度々、聖書が引用されます。
聖書の言葉は正しい事を言っているのでしょうが残酷です。
「あなたは本当に善ですか?」と、人間に究極を突きつけると言うか。
ストーリーを読んで行くと、善と悪は表裏一体で、決して引き離す事は出来ないのだと感じます。
でも、善を選びたいなら、選べる行為を積み重ねるしかないのでしょう。


と、
ここからは、「ロストケア」を、ミステリーから離れて現実に持って行きたいと思います。

「人をどうして殺しちゃ行けないの?」
…ダメでしょ。そこに理由なんかない。例え、どんな理由があろうとも、その一線は超えてはダメでしょう。そこを許してしまったら、戦争し放題。
松山ケンイチ演じる「彼」は、42人殺害した事を「正しかった」と言います。
リアルなストーリーの状況を考えると、「正しかった」様に見えるし、人の死に方の一つにも思える。対峙する検事もぐうの音も出ない。

「彼」が、殺害を始めたきっかけになったのが、
「殺してくれ。」
と言う父親の言葉でした。介護する方、される方、共に地獄だったのです。

ハイ!!  ダメダメ。

そこで返すべき言葉は
「自分で死ねよ。」
でしょ。

いくら地獄とは言え、自分は死んで楽になって、自分の子供に罪を被せるってあり得ない。コインの裏を子供に選ばせてどうするんですか?
子供にコインの裏を選ばせるくらいなら自死せよ…そのくらいの覚悟です。

そして「彼」
「地獄だった。」と、感じているなら、一度生活保護断られたくらいで諦めるな。
近所の民生委員に「辛い!辛すぎる‼︎」と、毎日駆け込め。
病院に行ったら、医者や看護師に「辛い!辛すぎる‼︎」と叫べ。
誰かれ構わず、「助けてくれ!!!」と言え。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる。
そしたら、気付いた誰かが何とかしてくれる。
何とかしたくても、閉鎖された家庭内は見えて来にくいのだし、何も言われないのに勝手に介入しずらいのだ。
因みに私は、直ぐに包括支援センターに電話した。
…電話したけど、ワクチンの副反応だった母は1週間くらいで元に戻って利用には当たらなかったけど。それでも、丁寧に対応してくれた。

介護職の介護離れや、30年もすればほぼ高齢者状態になるけど、何とかしたいと思っている人はいる。
「この社会が…。」なんて、天に唾を吐いても自分にかかるだけ。
高齢者しか居ない世界でも、きっと日本なら大丈夫…そう、神様は思ったはずだから。
今の人は昔より若い。だから長生きするのもあるけど、昔より若いから出来ることもあると思う。限界があるのも事実だけど。

多分作者は、福祉じゃ間に合わなくなりそうな、そんな社会だから助け合おうよって、言いたかったんじゃないかな…。

老老介護と言われて久しいけれど、新しい家族のカタチ…疑似家族を作って暮らして行ければ、若者への負担も軽くなる気がするし、助け合って行けるんじゃないかと思っています。




この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?