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アーチ型の爪から見る高齢化社会 : 独り言



個人差はあるだろうけど、
老人施設に入居する高齢者の殆どが、
アーチ型の爪をしている。
その割合は、100%に近い様に思う。

それが一体何?
…と、思われるだろうか?

今年の高齢者の割合は28,4%。
約3人に一人。
とは言え、高齢者とカウントされるのは66歳以上で、高齢者とカウントしてしまうにはまだ早いと思える方も沢山いる。
先にも書いたけれど、年齢だけでは判断できない、個人差が大きい。

その、個人差を見る、一つの判断に、アーチ型の爪で見えてくるものがあると、気付いた。

アーチ型の爪は、手よりも足の爪に顕著なのだが、なぜ爪がアーチ型になるか?と言うところに大きなヒントがある。
なぜアーチ型になるかと言えば、
指が使われていないのだ。
指が使われていれば、爪はフラットに近い形になる。爪は元々、指が使われるのを前提にアーチ型になろうとする働きがある。アーチ型になる事で、指にかかる圧を均等に保ち、フラットな爪を維持している。でも、指が使われないと、爪のアーチ型になろうとする働きが強くなってしまって、陥入爪(巻き爪)になってしまったりする。巻き爪にならなくても、アーチ型になった爪は、とても爪切りがしにくい。

巻き爪や、爪切りがしにくいだけの問題ではない。

手の爪、足の爪がアーチ型になっていると言うことは、手足の指を使っていないと言うこと。
足の指を使っていなければ、ロボット歩きになっていて、歩行のバランスが不安定。しかも、足の指を使っていなければ、踏ん張る事が出来ないから、とても転びやすい。
その様な状態だと、日常生活を一人でこなすのは難しい。
まして、手の爪もアーチ型になっていると言うことは、殆どのことは自分で行えていないと言うのが予想される。

爪を見る事で、その人の生活レベルが見えてくるのだ。生活レベルと言っても、金銭的なレベルや社会的レベルではなく、その人本来の生活レベル。
身体機能が低下すれば、それに追随する様に、脳の機能やメンタルの低下も考えられる。




年をとり機能低下して、爪がアーチ型になったとも言えるけれど、色んな事を自分でやらなくなって爪がアーチ型になって行ったとも考えられる。
その先にあるのは確実に機能低下だ。
卵が先か鶏が先か…の様な話になってしまったけれど、「もう年だから…。」と、やらない事を増やすほど、アーチ型の爪は出来上がって行く。
使わなくなったものは、どんどん削除されて行くのだから。


とは言え、
人は確実に年をとっていく。
それだけが、人に唯一与えられた平等。

逆三角形の人口動態は、誰でもご承知の通り、高齢者は増え続け、あと40年ほど続く。
私はその高齢化社会のアンカーで、私が帰る頃の日本は人口が8000万人程になる予定。
「若者の方、頑張ったね。」
なんて他人事のようにはいられないだろう。

以前、筋肉は裏切らない…なんて事が言われていたけれど、本当だと思う。
もはやアンカーの私は、その言葉を信じて、若者に負担をかけ過ぎない様にしていきたい。
手を動かし、色んなものを作り続けるつもりだし、足の指で色んな物を掴んだり、爪先立ちしたり、楽しく鍛えて、出来れば、ピンピンコロリといきたいものだ。
それでも、爪がアーチ型に変わったら、その時は許してもらえる様な社会である事を期待している。



って、あと半世紀。
結構長いなっ。



そしておまけ。
今日、
ダンディおじさんと話ししていると、
「ウチの母親が少しボケて来た。」
と言うから年齢を聞くと、
「昭和元年。」
と言う。
98歳。…少しボケても許してやってと思ってしまった。
人って、どこまで元気でいられるのか?

もう一つおまけで言うと、
若者男子にも会ったのだけれど、ずっと猫背でスマホから目を離さず、老人より老化が早いんじゃないかと思った。
しかも、人生の路頭に迷って出口を探せていない…。
スマホは出口を見つけてくれるんだろうか?


まぁ、私の人生は面白そうな事が続きそうだ。









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