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( 引用 ) 本谷有希子 『ぬるい毒』

「原のことが思い浮かんだ。突然。笑われているときの原。ひどいことをしたと思っていた。でもそれは思っていただけだった。ただの想像だった。いまなら分かる。あのファミレスで笑ったとき、原からもこの音が聞こえたから。人が傷を負っていくときには音が聞こえるのだ。心が壊れる音。ごめんね。ごめんね。ごめんね。」

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