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( 寸話 ) 「 彼女の絵 」

彼女の描く絵には、決まって、淋しさや哀しみが佇んでいた。御しがたく、ひっそりと。そして、そこから物語が溢れ出ていた。

「彼女の絵を見ると、疼くんだ」

「疼くって、どこが?」

「わかんないよ。とにかく疼いて、呻くんだ。」

「ウメク?」

「呻いたこと、ないの?」

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