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あたりまえの世界

現在、完全な肯定の中に家族同士が包まれていて、
周りには怒ったり大声をあげたり、不安定になる人がいないことや
誰の世話も気遣いも過剰に焼くことなく、
個人が独立しながら助け合っている中にいることを
わたしたちはとても幸福なことに思う。
それは今の家族と過ごすようになってから得られた世界。
はじめてのことかもしれない。

わたしにはゆったり過ごす時間が必要だったと
今は心からじんわり感じ入っているし
それを今いただけていることも
深い安心と安定、心地よさを広げられている。

こんなに、静かにゆっくり過ごせることを大事に思えるとは
きっとかつては思えなかったのではないか。

ふと窓から見上げる夕陽の移り変わり、思い立ったら淹れられる紙フィルターの珈琲、風鈴の音
気が向いた時に夕飯を作らないで、さっと外へ出てゆったり一、二杯のお酒とともに食事を楽しめる時間
本屋で時間をかけ数冊選べること
コンサートや映画がネットですぐに取れる気軽さ(コンサートは今は少し難しいけれど、今年の2月までは完全に自由に)
あ、それと2人でカラオケに行けること。
家族とそれらの時間を共に、大切に過ごせるのは
真逆の時間の使い方を知っているからに他ならない。

疾走していたかのように体と心を酷使して、人の欲望を満たすことに奔走する時間も
たしかに若い頃選んでしまっていた。痛みを全身で受け入れながら。
あれらを知っているからこそ、
全く必要としない今がある。

ピアサポートとは同じ経験をした人同士の支援。
それを大切に思うのは、
わたしたちとは生活の中で、痛みを肯定してしまうことなんて本当にかんたんすぎるもんなんだと、理解したからなのかもしれない。

軽く暴力を受け入れ、なんとなく脅しを正当化し、自分の罪悪感を強化して相手を立てる枷を産むのは
決して難しいことではなかった。

どんなに過去に請け負ったとしても。
今はもうどなり声や、不穏さはなく
肯定と笑顔と、安心と信頼しかない世界にいる。

言葉の暴力や恫喝を、人に与える痛みを
選ばないことに尽力した人たちは、世界にたくさんいるだろう。
彼らと力を合わせられるこれからを
もっと信頼し、培ってゆけたら。

そんなこれからを願いつつ。



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