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マツコの知らないサンリオキャラクター(とゆるキャラ)の世界

「マツコの知らないサンリオキャラクターの世界」、ご視聴ありがとうございました。
出演させていただき、大変光栄でした…!

推しの「ポムポムプリン」くんが25周年を迎えるこの大事なタイミングで、推しを地上波で紹介し、そのかわいさをマツコさんや視聴者の皆さまにご覧いただけたこと、本当に、ヲタク冥利につきる、という気持ちです…!ありがとうございました!

そして、サンリオキャラクターだけでなく、大好きなゆるキャラ、ご当地キャラについて語る時間までいただけまして…!みんなの魅力が少しでもお伝えできていたらいいなと思っております。「ゆるキャラグランプリ」の終了や、コロナ禍でのイベント制限などが相まって、ブームが去ったと言われてしまうことも多いゆるキャラ界ですが、大きなイベントに頼らずとも「ゆるキャラ」というジャンルの存在や彼らの活動が「当たり前」に受け入れられるようになってきているということもまた事実かと思いますので、今後はもっと、地に足のついた個々の活動をアピールしたり、経済効果など具体的なメリットを発信していくことで、文化として成熟させていく様子をお伝えしていけたらと思っています。


サンリオキャラとゆるキャラに共通する「間抜け」さ

それにしても、サンリオキャラとゆるキャラ。今回番組に出演させていただくにあたって、そもそもどうして私はこの両方が好きなんだろう?と考えた時、思い至った共通点が、「マヌかわいさ」でした。
まぬけでかわいい、って、なんだか悪口みたいで申し訳ないのですが、心からの愛しさを込めてこう呼ばせていただいてます…!

イチオシのポムポムプリンの性格やのんきな雰囲気だけでなく、サンリオキャラもゆるキャラも、顔のパーツが少なく、間に空白が多いという特徴から文字通り「間が抜けた」顔つきをしている子が多いです。この表情筋の少なさにより、キャラ本人が発する表情(感情)の精度が落ちるため、受け手が自由に想像する余地が生まれます。
ぬいぐるみや着ぐるみ、あるいはサンリオさんのライブキャラクターのみんなが、一見無表情のようでいて豊かな表現力を持つのは、この「間抜け」な表情ゆえだと思うのです(むしろ最初から表情が豊かで、笑顔が眩しい着ぐるみは、うつむいて影が落ちた時も笑顔のまま…。ややグロテスクな印象を与えかねません)。

実は先日、お仕事で神楽を拝見した際、舞い手の方が面をつけて舞う様子を見て、同じことを感じました。舞い手は言葉を発することなく、微妙な顔の角度やちょっとした仕草で感情を伝えます。首を傾げれば「困っているのかな」、うつむけば「悲しいのかな」、そこからパッと顔を上げれば「元気が出たんだな」…たとえセリフがなくとも、面の見える向きやおちる影の感じが変わるだけで、何通りもの表情を読み取ることができるのです。

これは神楽だけでなく、能にも通ずるかもしれないし(この辺り詳しくないので推察ですみません)、こうした伝統芸能を持つ日本だからこそ、着ぐるみ文化がこんなにも受け入れられているのではないかな…というのが、最近気になっていて、もっと勉強したいと思っていることのひとつです。


目鼻をつければキャラになる文化

ところでゆるキャラは基本的に、地域の特産品や名所をモチーフに、目鼻をつけて作られています。身近なものを擬人化して愛するゆるキャラ文化には、自分たちの住む地域に恵みをもたらしてくれる山や川に「神」を見出し、人格を設定して祀っていた歴史との重なりを感じます。八百万の神を大切にする文化を汲んだ「ゆるキャラ」は、私にとって現代の神様です。妖怪は、この信仰が「怖い」方向に変化したもので、ゆるキャラは「ゆるい」方向に変化したものなのかなと。(そしてこれはごく個人的なお話ですが、地味な見た目でこれといった特技もなく、苦し紛れに「まじめ」を名乗るしかなかった私に、「ゆるドル」というオリジナルの活動を与えてくれたゆるキャラのみんなは、私にとって救いの「神」…!そういう意味でもずっとずっと大事な存在です。)

さて、そんな2010年代のゆるキャラブームに影響を受けてかはわかりませんが、サンリオさんも2013年、身近な食べ物に目鼻をつけて命を宿したキャラをデビューさせる「食べキャラ総選挙」を開催しています。その時生まれた「KIRIMIちゃん.」や「ぐでたま」は、ビジュアルのシュールさに加え、性格の設定も斬新なものでした。
かわいくて、明るく元気で前向き。そんなサンリオキャラのイメージを裏切るような、現実的でネガティブな発言をしがちなきりみちゃんに、なんでも面倒くさがるぐでたま。どこまでも「ゆるい」この子たちの活躍が従来のサンリオファン以外にも届いたことは、その後誕生する新キャラたちにも大きな影響を与えていると思います。
OLとして働く中で溜まったストレス発散のため、カラオケでデスメタルを歌う「アグレッシブ烈子」、小麦粉なのにおにぎりになりたいと憧れる「こぎみゅん」、お家でダラダラするばかりのニートのしろくま「まるもふびより モップ」くんなど…「え、あのキャラ、サンリオだったの!?」と驚かれるような新キャラたちの誕生へとつながっていくのです。

けれど、様々な革命的キャラの誕生がありながらも、サンリオさんがぶれずに大事にされているのは、「かわいい、なかよく、思いやり」。型破りなきりみちゃんやぐでたまだって、愚痴は言うけど悪口は言わないし、「そんなずっと前向きでいられないよ」、「面倒な日もあるよ」という我々の素直な心情を思いやってくれるからこそのあのスタンスなのかもしれません。


時代によって変わるキャラの役割

寄り添い方や励まし方にもいろいろあるし、それはきっと時代によっても変わっていきます。最近は「はぴだんぶい」の活躍が目覚ましいですが、この子達は、1980年代〜1990年代に絶大な人気を誇ったキャラクターで、かつ、2019年のサンリオキャラクター大賞において、TOP3に入らなかった男の子キャラから選抜された、サンリオ初の「男の子ユニット」です。ユニット名の由来は、「ハッピーな男子たち、V時回復を狙う」。その言葉通り、ユニット活動の甲斐あって、翌2020年のキャラクター大賞では順位UPしたメンバーが続出!

ヴィレッジヴァンガードやタワーレコードなどとの企業コラボも積極的に行い、この2月には、サンリオキャラにとって「ステータス」のひとつである、単独での「当りくじ」デビューも実現しました(おめでとう!)

昨今の不景気やコロナ禍、あるいは環境問題なども含め、一人では立ち向かえない問題がたくさん見えてきた現代だからこそ、「みんなで力をあわせる」グループ活動が支持されているのではないでしょうか。


キャラ文化とアイドル文化

時代に即した新キャラを誕生させながらも、昔から抱えているキャラたちに新たな活動の場を与える。時代を読みながら、所属キャラたちをずっと大切に育て続けるサンリオさんは、本当に素晴らしい事務所だなと思います(ぜひ所属したいです、寺嶋、今フリーです)。

そしてそうした素晴らしい大手事務所が引っ張ってくださっているからこそ、この国のキャラクター文化が活性化し、「自分たちもやってみたい」と、公式非公式問わず様々なご当地ゆるキャラたちが活動しているのだと思うと、これまた昨今のアイドルの在り方と近しい構図を感じて、自分がその両方に惹かれるのは必然だったのだな、やはりわたしは「ゆるドル」になれてよかったなと思うのです。
その辺りのことは、早稲田大学卒業時の卒論でお読みいただけます…!全文掲載された初のアーティストブック「まじめ」、発売中です!(ちゃっかり宣伝)

ちなみに今、その卒論の一部がRealSoundさんで公開されているので、ご興味持ってくださった方、こちらから試し読みをぜひ…!2014年に書いたものなので、情報が古い部分もあり恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。

寺嶋由芙が考える、アイドルとゆるキャラ・サンリオキャラクターの共通点 卒業論文を一部公開




アイドルとしての活動も紹介していただきながら、大好きなキャラクターを語らせていただき、本当に光栄でした!ありがとうございました!また出演させていただけるよう、引き続き精進いたします!





…もし興味を持ってくださった方、3/21からはじまるアコースティックツアーで是非お会いしましょう!

まだまだ油断のならない時期ですので、人数限定、着席、コール禁止などご不便おかけしてしまいますが、歌も私の本業ですので、どうぞお楽しみいただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします!






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