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「彼氏ができたの」

↑という曲についての記事です。


こちらは2019年にリリースした「君にトロピタイナ」という曲のカップリング曲です。

(表題曲「君にトロピタイナ」は西寺郷太さんにプロデュースしていただいた新境地で、こちらもとても好きな曲なので是非聴いていただきたいです)




「彼氏ができたの」の作詞はハナエちゃん、作曲と編曲は藤田卓也さん。振り付けはMëgpis先生。

ライブでの曲振りの度、アイドルに「彼氏ができたの!」と言わせる仕掛けが天才!
自分の曲ということを抜きにしても、明るい曲調に強がりで切ない歌詞が載ってるこの曲が大好きです。
私は毎週水曜日にSHOWROOMで雑談配信をしているのですが、以前、その配信内でもこの歌詞について話題になり、みんなも気に入ってくれてることが嬉しく、改めてご紹介したいなと思っていました。その時ちらと書いて以来、下書きに入れっぱなしになっていたこの記事を、ちょっくら手直しして、公開させていただきますね。

二人 兄妹みたいだった
スーパーではしゃいで お蕎麦屋でキスした
ふざけた意地の張り合いも 楽しかったけど

彼氏ができたの 君より年上でおしゃれな人
彼氏ができたの 音楽の趣味は合わない人
幸せになんてならないでね
私と一緒だった頃よりも

スーパーに行くだけで楽しい、兄妹みたいに気取らない関係だった「君」と別れ、新しい「彼氏ができたの」って訳なんですけど、その新しい彼は「君より年上でおしゃれな人」。当てつけっぽい比較がいじらしいぜ、っていうか新しい彼の紹介が「音楽の趣味は合わない人」ってそれ、音楽の趣味も合って楽しい会話も絶えなかった「君」への気持ち滲み出まくりじゃん、という…ね…いやはや。

アイドルの「お得」なところは、自分のイメージに合った曲を作っていただけることと同時に、自分のイメージをあえて裏切る曲をいただいても、そのギャップやミスマッチ感をウリにできるところだなと思っていて。

シンガーソングライターの皆様が全員、「自分の気持ちをそのまま歌にしている」わけじゃないのは百も承知ですが、アイドルの場合は、自分で作って自分で歌う方々と比べて、あえて「歌わされている」という見せ方を、より利用しやすいのがポイントなのかなと。

しかも、グループアイドルの場合は、グループとしてのテーマソング的な、グループのイメージをより強固にするような曲を歌うことが多いのに対して、ソロアイドルは歌い手が1人なので、よりパーソナルな歌詞で、本人のイメージを利用することができるのが強みだなと思っています。ぐっと個に寄ってる、「キャラソン」的なイメージ。

活動の要所要所で、自分で選ばせてもらったり、大きな方向性を決める時は意見を反映してもらったりと、現在、仕事をする上ですごく恵まれた環境なのですが、とはいえ私は音楽制作の専門家ではないので、基本的には、楽曲についてはディレクターさんや作家さんにお任せしています。現代のアイドルには、自我を持って選択している様子を見せることが魅力になる部分と、あえて「お人形」(ちょっとこの表現微妙かな、他にしっくりくる言葉見つけたら書き換えるかも)でいることが効く部分、どっちもあるのかなと思っていて、そのバランスを探っていきたいなと思っております(って、こんなこと本人が書いたらネタバレですかね)。「お人形でいることを選ぶという自我」を持つことだってあると思いますし。

ただ、「選ぶ側」要員兼「お人形」要員として、歌詞に関していつも気にかけているのは、「寺嶋由芙が歌うことに意味があるけれど、寺嶋由芙じゃない人が歌っても意味がある曲」になっているかしら、という部分です。寺嶋由芙のキャラソンとしても成立していてほしいけど、だからと言って「私はゆっふぃー♩みんなのアイドルー♩」みたいな曲ばかりになってしまったら、(そういうのはそういうので振り切ってて好きですが)聴き手は置いてけぼりかもなぁと…。生意気な表現で恐縮ですが、「ゆっふぃーにしか歌えない」の意味を間違えないように気をつけねばといつも思っています。ぜひにそう言ってもらいたいけど、それだけじゃダメ…!

「彼氏ができたの」は、普段から応援してくれてるヲタクのみんなにとっては、寺嶋由芙という、「真面目にアイドル」をキャッチフレーズに、人間とのスキャンダルが(今のところ♡)ないまま活動してきたアイドルが歌うギャップを楽しんでいただける曲。同時に、寺嶋由芙を全く知らない方にも、胸がぎゅうっとなる恋愛ソングとして楽しんでいただける曲になっているところがすごく好きです(手前味噌ですみませんね、でも作ってくれてるのは作家さんだから厳密には私のお味噌ではないのでどんどん褒めますね)。他にもそういう曲をたくさんいただけていることに感謝しています。

デビューから7年目、ずっと新曲をリリースさせていただけてるだけでも本当に幸せ者なのですが、たくさんの方のご協力のもと世に送り出すからには、そしてお金を払って作品を聴いていただくからには、私以外の方が車で聴く時、カラオケで歌う時…日常の中で口ずさむ時に、ちゃんとその方自身の気持ちを重ねられる曲であってほしいのです。なぜなら私も、たくさんの「他人の曲」に共感したり励まされた経験がたくさんあり、そういう曲は聴く人の心にずっと残ると信じているからです。

だからいつかは自分も、誰かに気持ちを重ねてもらえる歌詞を書けるようになりたいなと思っています。作詞経験は何作かありますが、現時点ではどうしても、自分の気持ちそのものを書いてしまいがちなので…。

と、いう部分を克服すべく、作家さんとの「共作」という形をとって作らせていただいた歌詞もあるので、いずれそちらもご紹介したいと思います。


…ちなみにうちのヲタクは、推しが「彼氏ができたの」なんて歌ったら病むかな…というこちらの心配もなんのその、

彼氏ができたのー♩

と歌う私に、

\オレモー!/

とコールを入れてくれています。その発想はなかった…

早くまたライブで、元気な「\オレモー!/」が聞きたいです!



応援ありがとうございます(゚ω゚)更新頑張ります!