花を飾る〜在宅その1〜

2020年はオリンピックイヤーとなって、忙しくしている予定だった。準備に向けて二年前から仕事を変え、毎日奮闘していた。3月末に全ての計画が崩れた。4月から先の見えない在宅生活が始まった。

最初は慣れないことばかり。社会人になって、もう20年以上、こんなに長く家にいたことがない。よく見ると、あー、こんなことも、あんなことも、の、家の中。

コロナへの恐怖、今後の生活への不安、などなど。気持ちが塞ぐ。落ち込む。。。外に行けない、人と会えない、どんどん殻に閉じこもる。zoom飲み会も試してみた、何か足りない。。。

何のきっかけだっただろうか?インスタで見た写真か?もともと、園芸好きだったからか?ふと、綺麗なお花に目が止まった。お気に入りのお花屋さんに恐る恐る連絡をとってみた。父の日のために、お花の入荷があるという。お店は忙しくしている、という。

そうだ、家の中に花を飾ってみよう‼️会社生活では忙しくて、また、せっかくお花を飾っても日中は家にいない。暑い部屋の中ではお花も枯れてしまう恐れがあるため、お花を飾ることをしなかった。

お花屋さんに行った。万一のことを考えて、あまり話さない。お花をささっと選んで、包んでもらってお支払い。30分も経たずにお店を出た。

家に帰り、花瓶を出した。華道の心得もなく、フラワーアレンジメントを習ったこともない。今まで、仕事、仕事だった。自分の生活にご褒美はなかった。

必死で、慣れていないハサミを使う。誰のアドバイスもなく、好きにいける。無心になって、綺麗なお花、枝、葉っぱ。。。誰も教えてくれないから自己流。でも、それが心地よかった。人のためにじゃなく、自分が満足するように、お花をいける。

なんて、ゴージャスな時間なんだ❣️

一時間ぐらい、夢中になってお花をいけた。綺麗なものに触れて、他には何も考えず、集中した時間を過ごせた。何ヶ月、いや、何年ぶりだろう。

結果はどうか?もしかしたら、ひどいのかもしれない。でも、そんなこと関係ない。いけ方はともかく、お花は素晴らしく美しい。枝や葉っぱはみずみずしく、生命力を感じた。

毎日、毎時間、お花たちを見る。おはよう、おやすみ、とそっと言うようになった。

数日経つと、枯れてくるものもある。それらには、さようならを言い、残った花々を、生け替えてみる。これも幸せな時間だ。

お花を購入するために、少しの投資をした。花代が数千円。それと、自分の時間。

心の満足度、幸せと引き換えに、高くはないと感じた。それから、毎月、お花を生けている。在宅での私の不安や孤独をお花が救ってくれた。

本当に感謝している。





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