“決めつけ“により子どもの成長が阻害される?ゴーレム効果とピグマリオン効果
「ウチは文系の家系だから、数学が苦手なのは仕方ないよなぁ。。。( ;´Д`)」
例えの話ですが、こんな風に言っていませんか?“決めつけ“は、子どもの能力の芽を摘む敵です。
この記事は…
・子育て中のパパ、ママ
・プレママ、プレパパ
・職場で部下や後輩を指導する立場の人
・教師やコーチなどの指導者の方
に役立つ記事です。
☆褒めすぎなくてもいい。だが決めつけないで☆
大前提として、子どもの能力は無限大です。
もちろん、全ての子がオリンピックに出たり、東大に合格するとは言えませんが、
時として子どもは、こちらの想像をはるかに超えるような成果・成長を遂げることがあります。
逆に、親がその子の力の限界を決めつけてしまうと、その通りになってしまうのです。
我が子を対外的に褒めすぎなくてもいいですが、謙遜を超えた卑下をしないようにしましょう( ̄∀ ̄)
☆相手に対する心構えが、相手を変える☆
相手に対してどういう決めつけをするか?によって、相手の能力が変わっていくという心理学の効果をご紹介します。
1.ピグマリオン効果
ピグマリオン効果とは、相手に期待する気持ちを持つことによって、本当に相手がその通りに変わっていくという効果のことです。
ピグマリオン効果を実証する実験は、心理学者のロバート・ローゼンタール氏らによる1968年の論文で発表されました。
実験では、ある小学校の生徒たちに知能テストを受けさせました。後日、担任の教師にだけ、「伸びしろがある」とされる生徒たちの名前が伝えられます。そして、「伸びしろがある」とされた生徒たちは、実際に成績を伸ばしていきました。
しかしじつは、「伸びしろがある」という情報は、まったくのデタラメ。テスト結果に関係なく、実験者側がランダムに選んだだけだったのです。
では、なぜ「伸びしろがある」と担任教師が聞かされた生徒たちの成績は向上したのでしょう? 考えられるのは、「この子たちには伸びしろがあるんだ」と担任教師が信じ込んだことにより、該当生徒に対しての接し方が変わったということ。教師の期待が、生徒たちに良い影響を与えたのです。
Study Hacker HPより抜粋
上記後半にもありましたが、ポイントは「伸びしろがあると信じたことにより、接し方が変わった」ということです。
つまり、この効果も単純に“信じてあげるだけ“では、相手を変えることはできないとも言えますね。
スタンフォード大学のキャロル・S・ドゥエック教授によると、
子どもたちに次のことを教えると、学習意欲や向上心に変化が見られるといいます。
「(中略)脳は、筋肉と同じく、使えば使うほど性能がアップするのです。新しいことを学ぶと脳が成長して、頭が良くなっていくことが科学的に証明されています。」
『マインドセット「やればできる!」の言及』 より 抜粋
これもピグマリオン効果の一種ですね♪
ただドゥエック教授の言葉を聞いて、涙を流して頑張った生徒もいたんだとか。
2.ゴーレム効果
ピグマリオン効果とは…
誰かを指導する立場として、最もやってはいけないことかもしれませんね。
力を伸ばしたければ、相手を信じて、粘り強く指導することが大事です。
3.(番外編)ハロー効果
ピグマリオン効果と似た心理学効果に“ハロー効果“があります.
ハロー効果とは、相手の一部分に対する評価を、全体に対する評価として錯覚してしまう心理効果です。
Study Hacker HPより抜粋
・有名企業のA社に勤めているということは、人格も優れているのだろう。
・見た目がハンサムということは、きっと内面も優しいんだろう。
肩書や外見が良いと、その人の内面まで“よく見えてしまう“ということ、ありますよね?それがまさに“ハロー効果“です。
これは、相手に対する“自分の中の気持ち“が変化するものなので、相手に対して影響を与えません。
よって子育てやコーチングには直接役には立ちませんが、番外編としてご紹介しました。
☆信じてくれた母☆
実際に私が体験した、ある中学生のお話をしますね(о´∀`о)
中1の時に模試で志望校を書けと言われて、何気なく地区トップ高を書いたCくん。
それほどやる気があったのかはわかりませんが、判定はいつもD判定のまま中3になりました。
中学校での進路面談で
先生「Cくんは○○高校に行きたいのかな?」
Cくん「そうです。」
先生「でも今の成績じゃ正直合格はしないよ。一つ下げてみたらどうだ?」
Cくん「…いや、このまま○○高校を受けたいです。」
先生「いや、だけどね……」
学校の成績があまり良くなかったCくんは合格の可能性がかなり低かったため、学校の先生に猛反対を受けました。
しかし、その後の本人のがんばりもあり、見事に志望校であるトップ高に合格☆
合格発表日、私がお母さんにお祝いの電話をかけたところ、「私はあの子が合格するとずっと信じていました」とおっしゃいました。
☆一方的な期待になっていないか?☆
「期待をするって言っても、ウチの子プレッシャーに弱いんですよ。。。だから○○高校くらいに受かればいいって言ってるんです。」
こういう親御さんもいらっしゃいます。
確かに「△△高校に絶対受かれるようにがんばれ!( ̄^ ̄)」
という期待の仕方を“ずっと続ける“のは、子どもを誤った方向に導きかねないと思います。
それは“本人の気持ちと親の気持ちがすれ違っているから“です。
上記の例では、本人の気持ちとお母さんの気持ちのベクトルが同じ方向に向いていたために成果が出ました。
子育てにおいてピグマリオン効果を発揮させるには、お子さんの本当の気持ちと親の期待の方向を一致させることかもしれません。
☆まとめ☆
✅相手に期待し、自らの行動が変わることで相手が変わっていく
✅逆に相手に期待しないと、相手の能力は伸びていかない
✅一方的な期待では効果は望めない
✅子どもの気持ちと親の期待の方向を一致させることで効果が出る
いかがでしたか?
1つ補足しておきます。
塾教師として18年やってきましたが、教師としては生徒に“成績が伸びると期待する“だけで実際に伸びることはないと思います。
そこには「実際にどれだけ勉強させたか?」が当然問われます。
“褒める““期待する“だけで終わらず、そうすることによって相手の行動を変えていくところまでを心がけたいですね(`・∀・´)
参考HP
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