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soarイベント「社会課題を伝えるコミュニケーションデザインをどうつくる?」

「社会課題を伝えるコミュニケーションデザインをどうつくる?〜注文をまちがえる料理店・小国士朗さん、やる気あり美・太田尚樹さん」

に参加しました。

「注文をまちがえる料理店」はその名前を、「やる気あり美」は動画を見たことがありました。お二人のお話を伺いたいと思い、初めて参加したsoarのイベント。

一番印象に残っているのが、太田さんの言葉です。

「センスはみんな、何かしら持っている。自分のセンスがどこにあるのか知ってください。細かいものから大きなものまで、自分のセンスに気づき、自信を持つこと。」

私に言ってくれてるのでは?と思うくらい、ハッとする優しい言葉。

誰も取りこぼさない視線は、小国さんにも感じます。

お二人が語ってくださったことを、ひとりでも多くの方と共有したい^^今日のnoteです。

【やる気あり美・太田尚樹さん】

「誰も傷つけないを諦める代わりに、誰を傷つけているか自覚的である」

LGBT当事者の自殺リスクは、そうではない人の6倍。

「やる気あり美」の活動は、ご自身の気持ちが沈んでいる時、仲間内で楽しく話をしているうちに出来上がったそうです。

二丁目にも人権運動にも馴染めない仲間たちで、”すごい”と言われるより”おもしろい”と言われるものを作り続け、今は「美しい」と言ってもらえるようになり、夢がかなってしまったとおっしゃっていました。

基準は、「サザンなら何て言うか」。

「共感過剰」の日本社会とどう向き合うか。

かしおりさんが的確にツイートしてくださっています。

(太田さんのこの言葉を聞いた瞬間、私の頭のなかでは星野源さんの「日常」が流れました。「共感はいらない 一つだけ大好きなものがあれば それだけで~」本当に素敵な歌詞…余談です。)

【注文をまちがえる料理店・小国士朗さん】

ISSUEとの出会い方をデザインする①注文をまちがえる料理店

注文をまちがえる料理店は、世界各国から取材を受けたそうです。なかでも印象的だったのが、アルジャジーラとNYT。国も思想も全く違うメデイアからの取材に感動しつつ、認知症ケアは日本だけではなく、世界共通の課題だと実感されたそうです。


課題を1人で解決するのは難しい。「share issue」=課題をシェアしよう。そのためには「この指とまれ!」の「この指」に止まりたくなるかどうかをよく考える。

「大切なことほど届かない」=届かなければ存在しないと同じ。

例えば、注文をまちがえる料理店のコンセプトは「まちがえちゃったけど、まぁいいか」。他の言葉だと、福祉関係者しか興味を持たないかもしれない。

情報や課題を広く伝えるには、北風より太陽がいい。上のForbs Japanの言葉を引用します。

”「Warm Japan」っていう考え方ってありなのかな? と思うようになりました。「Cool Japan」ももちろん大事だと思うのですが、これから先は「日本ってなんだかあったかいよね」「なんだかほっこり心地いいよね」って思ってもらえることが、大きな価値につながるんじゃないかなと思い始めたのです。”

日本がそんな国になれたらいいなと、私も思います。小さくても、地域や家庭から一歩ずつ、行動していきたいと思いました。

ISSUEとの出会い方をデザインする②deleteC

deletCは、「がんを治せる病気にする」プロジェクト。

弱い個が、自分が見たい”風景”を伝える。こういうことがやりやすい世の中になってきているとおっしゃっていました。

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C.C.LemonがLemon

に。企業はCをなくした商品を販売し、消費者は購入することで、プロジェクトを支援できる仕組み。素敵です。


「熱狂する素人>中途半端なプロ」

素人だからこそ、理由や根拠ではなく「見たい風景ができちゃった!思っちゃった!」だけで行動できる、と。

その原風景は、日常にある小さな違和感。見過ごしている=思い込み、知ったかぶりに気づくことを大事にする。

issueや人との出会い方は、ターゲットを自分に。「原風景」を持っているかどうかが大事。それは違和感であり、真実=確信。事実ではない

違和感はクリエイティブの最初の一歩。

情報を広く伝えるデザインを考えるコツは、多くの人にとっての”あるある”に引っかかり(気づき)、それをひっくり返してみること、だそうです。


「はみ出して、すすめ」

いきなり飛び出すとリスクがある。はみ出て始めるのはノーリスク。何かやってみる。そこで何か問題があったら戻る。

新しいことを始める時、やってみたいと思った時、まずはそのくらいの距離感で始めるのがいいと。

何でも、受け入れてしまえば間違えではなくなる。自分が確信(=真実)しているかどうか。

大きなプロジェアクトを手がける小国さんは、意外にも「自分にはやりたいことがない」とおっしゃっていました。

ただ、課題や困っていることの本質を常に自問自答する。「今」なぜこれをやるのだろう?をすごく考えるのだそうです。

意味をつけすぎない。「かっこいい」とか、大人が評価しない。

これは小国さんの言葉。

お子さんを連れて、車椅子のバスケットボールの試合を見に行かれた時。お子さんが「乗りたい!」と乗った競技用の車椅子の感想は、「軽い!これめっちゃいいね!これ欲しい!」だったそうです。

大人は前提知識や経験から、車椅子や義手、義足を見ると「かっこいい」と言ってしまう。言わないといけないとさえ感じてしまうことがあります。

でも子どもは、実際に乗りたいし触りたい。五感をフルに使って、本能で言語化する。

LGBT、認知症、ガン、身体・精神障害。

自分が、いつでも当事者になりうるのを前提に、「かっこいい」「大変」「みんなちがって、みんないい」なんて、評価してしまわない大人でいようと思います。

また、病気が先か人が先か、ということもおしゃっていました。

例えば「認知症の○○さん」ではなく、「○○さんが認知症」なんだよ、と。

私も学生時代、「病気を見ないで人を見なさい」と教えてもらいました。日々の仕事でも、「今の思考は病気を見ているのか、人を見ているのか」をよく自問します。

「人」が認知症の状態になり、「人」が病気になるんですよね。

最後に。

「批判」は過度な”期待”と”嫉妬”

これは太田さんの言葉です。確かに。

自分が批判される側のこともあれば、してしまうときもあります。

その時、これは期待と嫉妬だ、と気づけるか、意識できるか。このお話を聞けたので、きっと私は批判しないで生きていけるはず(^_^)

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太田さん、小国さんの言葉には、ドキッとしたり、ハッとする瞬間がたくさんありました。

お二人の優しさや愛情深さを感じる2時間。あっという間でした。

スマホの充電0、読む本なしの帰路、「そういえば、お二人はどんな幼少期を過ごしてきたのだろう。ご両親はどんな方だったのだろう。質問したら良かったな」なんて、ぼんやり考えていました。

いつも思考が後手後手な自分が嫌になるのですが、またどこかでお二人のお話を聞けることを楽しみに、家に向かいました。

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ここからは、これを書いている今思ったことです。

父と一緒に訪問診療をさせていただいているグループホームがあります。入所されている方は、ほぼ皆さん認知症です。

ある女性の部屋に入ると、ベッドの背もたれの奥に、大きな一枚の裸婦画が置いてありました。

その方が昔描かれたものだそう。絵画に疎い私ですが、本当に上手で、素敵な絵です。

注文をまちがえる料理店、ここでもやれたらいいな。その時、この絵を飾れたらいいなーなんて。

次に診察に伺う時、理事長さんとお話してみようと思っています。

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました(*^^*)

#soar_event


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