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夢日記

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見た夢を簡単な小説にしたやつです 意味がわからないのが多いけど、夢だから、ね……
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夢現

 家のすぐそばの坂を登っている時、この間殺したはずの女を見かけた。
 ニュースでも取り上げられて、死んだ女の顔面がどういう感じなのか全国に報道されたはずなのに、周りの通行人はまるで気づいていない様子だった。
 もしかしたら、殺した張本人にしか見えないとかそういう類のものなのかもしれない。
 だからといって、その女も特にこちらに気づく様子はなく、生きていたころと同じように気持ち悪い猫背であるいていた

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声帯、枯れ果て

 トイレに行こうと思い廊下を歩いていた。ここは高校のはずなのに、教室を出たらなぜか中学校の廊下の景色が私を迎えた。
 普通なら驚くべきことなのだろうが、私の心はこれを平然と受け止めて特に疑問には思わなかった。
 窓から光の差し込む渡り廊下を渡り、北校舎に向かう。突き当たりで右側をみると図書室があったのでここはどうやら二階のようだ。
 だが、左側をみると三階にあるはずの理科室があった。
 その理科室

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実はみんなの耳がいい

 近くのスーパーに行ったら、テレビの撮影かなんかが来ていた。
 人ごみの中を縫うように視線をくぐらせると、カメラを向けられているのはアグネス・チャン似の知らない外国人。日本語ではない言語でひたすらカメラに向け話している。
 でもなんで、こんななんの変哲もないスーパーで、撮影をしているのだろう。ここに売ってるものは西友に行っても、イトーヨーカドーに行っても売ってるものばかりなのに。
 大体、この外国

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酷暑

「ありがとうございましたー」
 何の気持ちもこもっていない建前のあいさつをみんなで叫んで、体育の授業は幕を閉じた。
 うだるような暑さだ。全身に鉛を入れられているかのように、体が重く気だるい。ざりざりと砂を踏んでいる足の感覚が、余計にその不快感を増大させていた。
「あ、そろそろヤバいかな」
 こんな暑さじゃ、乾いてしまっているかもしれない。そう思い、重い足をできる限り早く前へと進める。
 前も、そ

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