眠れない夜
「寝ないといけない」
と言う気持ちを嘲笑うかのように、
時間だけが過ぎていく。
休みの日には12時間でも寝られるのに、
平日の睡眠時間は5〜6時間。
バランスが悪すぎる。
明日も仕事だと言うのにスマホを開いて、
急用でもない事を検索し、
今見なくてもいい動画にぼんやりと目を向ける。
まずはスマホを置け、と言う、
どこかで読んだ声が聞こえてくる。
それは分かっているんだ、頭では。
ただ、心がついていかなくて、
私の意志が弱いから、
そう模範通りに行動できない。
寝る前はどうしてこう、不安なんだろうか
寝なくても明日は来てしまうのに、
どうせ来るなら寝たほうがいいに決まってるのに。
ああ、明日が来てしまう。
ああ、もうこんな時間だ。
と、うだうだしている。
明日が純粋に楽しみだったのは、
いつの頃までだったろう。
明日は遠足だ、給食がカレーだと、
無邪気に、明日を望んでいられたのは、
いつの頃だったか。
いつのまにか、
楽しみな予定の前の日でさえ、
その楽しみの後に来る、
気の重いことばかり気になって、
100%楽しめなくなっている。
ああ、明日が来てしまう。
ほら、もうそこまで迫っている。
早くおやすみ、明日が来るまで。
忘れてしまえ、眠りの中くらい。
自分に言い聞かせて、スマホを置いて、
効きもしない羊を数えて、
意を決して目を瞑る。
おやすみ、今日の自分。
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