創作作品に付ける値段の考え方

※批判したいわけではありません。一個人の意見としてお読みください。

今回、創作作品(一次創作)のことをメインにして書いてますが、仕事で最初に見積書を作った時に考えたことも取り入れているので、“作品”を“技術”に置き換えて読むことで、仕事でも参考になるかもしれませんが、今回は『創作作品(一次創作)』に対しての考え方だということを踏まえてご覧いただけたら幸いです。

長くなるし、どれも関連がありますので、ノートを分けました。

STEP1.創作作品に付ける値段の考え方(今ココ)
STEP2.作品が売れる要素
STEP3.【キリ流】作品の値段の計算式
おまけ 製本所で製本か、自家製本で製本か
おまけ 本のサイズについて

商品の値段の基本的な考え

原価と利益を分けて考えずに利益だけで考えるとイメージが定まらずに決めにくいので、まずは以下の通りに考えてみます。

商品の単価(値段) = 原価 + 利益

ざっくりしていて、わかりにくいと思うので、もっとバラしてみます。

商品の単価(値段) = 原価(材料費+設備費+労務費+経費) + 利益 ÷ 個数(冊数)

一見、創作作品には関係ないように見えますが、そんなことはありません。
以下のように書き出してみました。当てはまる項目はありませんか?

材料費
・商品(作品)を作るのに必要な素材(紙代)

設備費
・光熱費(電気・ガス・水道)
・家賃、またはスペース代
・通信費等

労務費
・作業費(労力)
※労力は、RPGでいうならHPとMP。

経費
・文房具代
・交通費
・交際費
・イベント参加費
・郵送費、配送費
・コピー代

利益
・値段から原価を引いたときに手元に残ったお金

【『家事按分(かじあんぶん)』の考え方】
以下は仕事の経費としての話になりますが、参考までに。

家賃や光熱費は、使用時間や使用日数などの決めごとを元に、全体の1〜3割くらいを経費として計上しているようです。(詳細は長くなるので割愛します)
一般的には、労務費(作業費)に含めて、客先に請求してるようです。

※確定申告で経費とした計上はしても、客先には請求しないものだと勘違いしていました。

【小説や漫画・イラスト集などの補足】
印刷所(製本所)を利用する場合は、自分の代わりに作業してくれる人の労務費、設備費、材料費が全部製本サービス代の中に含まれていますので、分類としては経費になるかと思います。

【参考ページ】
原価管理の知識-原価とは
http://www.sk-genka.com/kanri/kan02_genka.html

経費についての考え方

「光熱費なんて含めなくていいんじゃない?」と思うかもしれませんが、パソコンで作業するなら、電気代がかかってます。レジン作品を作る時に使うライトだって電気代がかかってます。

一人暮らしなら、光熱費は使った分だけ自分の生活に響いてきます。家族に払ってもらっていたとしても「使いすぎだ」と小言を言われるかもしれません。
光熱費も作るためにかかったお金なので、可能であれば含めましょう。
計算は正直面倒な上に正確に出せるわけではありませんので、気持ち(数円)程度でいいのかもしれません。

また、よく言われるのが「イベント参加費は経費に含めるの?」問題です。
イベント参加費を経費とするのかは、賛否両論あると思いますが、私は否定派です。仕事では経費として計上しますが、創作活動を趣味でしているので、イベント参加費は経費としては含みにくいです。
だから、あまり参加費が高いと参加しにくいです……。大きなところとか出てみたいですけどね。

ただ、ネット通販など、倉庫レンタル料や倉庫に送るための送料やイベント会場までの送料がかかる場合は、経費として考えています。それは『商品をお店に輸送するための経費』と同じだと思うのです。

※2019/03/11追記→本の価格の基準となる経費には含めないけど、帳簿として計上する経費には含めます。ややこしいですが、趣味で活動していた場合でも、僅かでも利益を得る場合は仕事だとみなされますので、きちんと経費として計上しましょう。本の価格の基準となる経費と総合的な経費は別物です。

作業費をなんで入れるの? いくらくらい?

残念ながら、明確な答えはありません。
「いらない」とするなら0円でもいいでしょう。

ただ、仕事なら、時給か固定かは別として、がんばった分のお金はもらいますよね?
仕事じゃなくて趣味だとしても、作品を売ってお金をもらう以上、がんばって作業した分もお金はもらった方がいいと私は考えています。
「これでモチベーションが維持できるか?」を考えて決めると後悔しないかもしれません。

利益はどれくらいなの?

残念ながら、明確な答えはありません。
「利益なんていらない」とするなら0円でもいいでしょうし、「1000円欲しい!」なら1000円でいいと思います。

ただ、自信がある作品の利益が0円で本当にいいですか?
その場合、これからもモチベーションを維持できますか?

「自分の作品なんて……」って卑下することはありません。
自信もって、「これが作品の価値であり、受け取りたい利益だ!」と思う金額をつけてあげてください。

あと、作業費と利益は別として考えてあげてください。
仕事で例えるなら、利益は作品の価値、作業費は給料です。

ここまで来たら、あとは相場に合わせて調整しよう。自分が購入者として考えるとわかりやすいよ。

実際に出した数字、びっくりするくらい高くなりませんか?
購入者とした買おうとした場合、「高っ!」って思いませんか?
だからといって、すぐに値段下げるのはオススメしません。

赤字が続いて、創作が続けられなくなってしまったら、元も子もありません。周りも「同じくらいで売れよ」と思われてしまい、あなただけではなく、周りも創作を続けられなくなってしまいます。

すぐに値段を下げるのではなく、何が高いのかを見つめ直して、安くできるものは安くして調整できないか考えてみます。

ページ数を減らしたり冊数を調整したり。各商品は全部同じ材料で作ってるから、材料費はもっと安くなるはずだ……など。

削れるところがなくて、値段が高すぎるか不安なら、似たような条件の商品はいくらで売っているのか、相場を調べてみます。

相場通りなら、自信を持って売ればいいです。

ただ、「この値段で買ってくれるか?」を考えたときに、高すぎるのも問題です。『自分だからこそつけられる付加価値』がないと、買ってくれないかもしれません。

こうなると、作品に対しても自信がなくなってしまうでしょう。作品(技術)を売る以上、こだわりだってあります。こればかりは、とことん悩んで自分なりの答えを出すしかないかなぁと思っています。

※本は、ページ数×10円(文庫本は、ページ数の半分に10円をかける)
※ハンドメイド作品は、“材料費の3倍”という相場のようです。

※2019/03/11追記→私自身は、『相場は、目安としては参考になる』と考えています。必ずしも相場通りにしなければいけないものではないのですが、安すぎ高すぎにならないように客観的な目線で判断する一つの材料にはなると思っています。

作品が売れる要素に続く!

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