何度でも食べたくなる至福のシュークリーム。
シュークリームはあまりにも身近な食べ物なので、もはや説明はいらないと思います。
由来としてはフランス語で、シュー=キャベツという意味で、形が似ているから!といわれています。
シュークリームの思い出
僕がまだ洋菓子店に勤めていた頃、1日に1200個のシュークリームを売っていました。
全てが手作りがモットーのこの店で、生地もクリームも大変な作業でした。
シュー皮は1回に300個分を、大きな平たい鍋で炊くことを計4回。
カスタードクリームは牛乳でいう所、1日で50本分。大きな銅鍋で1回で炊ける量は10ℓ分を、交代で計5回。
身体の小さい女の子は本当に大変そうで、みんなクーラーの効いた部屋なのに、真夏には汗だくになりながらシュークリームを作っていました。
開店後、お客様のご注文を頂いてから絞るスタイルでしたので、1時間ほど店頭でクリームを絞り続けます。
僕はこの時間が大好きで、割れてしまったシュークリームをこっそりお子様に(ご両親の許可を得て)味見して頂いたり、お客様とお話をしたりしていました。
カスタードクリームの美味しさの秘密
牛乳にバニラビーンズを入れて沸騰させて、卵黄と砂糖、小麦粉、コーンスターチと合わせて、火にかけて、最後にバターを入れる。簡単に言うとこんな感じの作業になります。
美味しいカスタードクリームを炊くポイントは、よく火力や炊き時間が大事。そんな声を聞きますが、僕が大切にしているのは炊き方です。
炊き方なんて皆んな一緒でしょ?って声が聞こえてきそうです。
僕は最初に炊く量で時間(ゴール)を決めます。1ℓに対して2分間を目安に、そこに向かって炊き上げていく感じになります。
フツフツと沸くまでは、焦げないように底をかき混ぜるだけです。
沸いてきてからはコシを切るように、ホイッパーでぐるぐると高速でかき混ぜ続けます。目安は規定時間を炊き、ゆるくなってしまったと、感じるぐらい。
炊き上がり、バットに流すときはサラサラと、冷え固まった時には、しっかりとコシと粘り気がある、そうすると口溶けの良いカスタードクリームになるのです。
クレーム・パティシエールとは?
カスタードクリームとホイップクリームを混ぜ合わせたものを、クレーム•パティシエールとよびます。
炊き上がったカスタードを、柔らかくなるまでほぐし、分離寸前まで泡立てた生クリームと混ぜ合わせれば完成です。
それをカリカリに焼き上げたシュー生地に絞り、その場で召し上がって頂きます。
サクサクと香ばしく焼き上げたシュー皮にかぶりつけば、口の中いっぱいに濃厚な卵の風味と、ミルキーな生クリーム、バニラの香りが広がます。
丁寧に向き合う
シュークリームは平凡で、カジュアルなお菓子ですが、1つ1つ丁寧に作り込み、絞りたてにかぶりつく。
それだけでこんなにも特別で、感動的なお菓子へとなるのです。
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