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あれこれ悩むより、とりあえずやってみることも大事

言いたいことは単純なことだ。

何か新しいことを始める時に、準備やら根回しやら調整やら、そういうことは必要だとは思うけれど、でも、あまりにも色々考えて、やれ体制やフローや計画や事業性や運営方法やらと、何から何まで、その新しいことに必要なものを全て取り揃えて準備万端にしてから始めようとすると、そもそもスタートも切れなくなってしまうことも多いんじゃないかと。

やってみないと分からないことも多いし、とにかく何かやってみる、一歩踏み出してみて、そこから必要な能力やらリソースを確保していく、みたいな走りながら組み立てていく、ということも新しいことを始めるためには必要なことだと思う。

そんな単純なことを言いたいがために、こんな長い思い出話をしてみる。

前職の時の話だ。

有償の検索エンジン登録代行サービスを立ち上げた時の話

有償の「検索エンジン登録代行サービス」を開始したのは多分1996年だったと思う。

もともとは、無料の検索エンジン一括登録サービス「さぶみっといっと!」ってのをやってた。そっちはセルフサービスだったけど、試しに有償でこちら側ですべて代行するサービスを提供してみたらどうかという案が上がって、直ぐに、簡単な説明と申し込みメールフォームだけの1枚ページを作った。価格も、えいやーで3500円とかなんの根拠もなく決めた。ページ作ったのは僕だったのでよく覚えてる。細かいことはほとんど決めず勢いだけでスタートした。

ページを立ち上げて、初日に一件申し込みが来て、かなりびっくりした。まさかお金払ってこんなサービス使う人がいるって作ってる自分たちが信じてなかったというか。なんせ、無料で一括登録可能なサービスがあるわけだし。

考えてみたら、僕の、ウェブで何かを売るってのはあれが最初の経験だったなぁと。ウェブページだけで何かにお金を払う人がいるんだ、というのを初めて実感して、インターネットってすごいんじゃないかと改めて確信した瞬間だった。

最初はメールだけで処理してやりとりしてたけど、徐々に注文が増えてきて、複数人で対応しないと間に合わなくなって、S君が本見ながらAccessとかで管理システム作っていった。S君は、別にシステム担当でもなんでもなかったけど、誰かがそこをなんとかせざるを得ないということで、いつの間にかシステム担当になっていた。

S君は夜もずっと会社に泊まり込んではひたすらAccessと格闘してた。その当時のシステムは何年後かに全部ウェブベースのものに変わったけど、当時、S君が作ったバックエンドのシステムがなければ、あのサービスは早々に崩壊してたと思う。

注文がどんどん増えていくなか、業務量にあわせて、システムを作り、バージョンアップしながら、なんとかかんとか仕事を回していく、ということが続いた。

その後、紹介文とかの作成代行を有償オプションにしたら、客単価が上がった。でも、全部手動でやってたので、どんどん作業は大変になっていった。

思い付きでオプションメニューを追加した

ある時、これも思いつきで、登録したサイトがちゃんと掲載されてるか、掲載確認のオプションメニュー作ったらどうだろうと案が上がった。どうやってオペレーションするかも決まらないまま、サービスとして有償オプションでスタートしたら、かなりの割合でそのオプションが売れた。

あとあと考えると掲載確認作業は物凄く面倒で大変で、そのためにまたシステムやら仕組みを作らないといけなくなって、試行錯誤しながらなんとか対応できるようになった。最初からやり方考えてたら、多分、大変過ぎてやるのを躊躇ってたかもしれない。

さらに、懸賞サイト登録やらなんやらかんやらとサービスが拡張されていって、注文もどんどん増えて、売り上げも伸びていった。一つの会社として独立して10人以上のスタッフが働くようなサービスに育っていった。始めた当初はそんなこのになるなんて全く思ってもみなかった。売上も数億円規模になって、そこそこ事業としても成立するようになった。

僕が関与してたのは最初のうちだけで、その後のサービスの成長過程の裏側はよく知らない。そのサービスはもっぱら京都で運営されてたし、僕はそのサービス立ち上げ後に直ぐに東京に引っ越したからだ。

色々考えてたら、多分、サービス開始できなかったかも?

今思えば、よくもまぁサービスの中身やオペレーション方法とか細かいこと一切決めずにサービス開始してなんとかなったなぁと思うけど、練りに練って用意周到にすべて準備を整えてても、多分、うまくいかなかったんだろうなぁと思う。やる前に色々考えてたら、あまりにも効率悪すぎるし、必要になるシステムや体制もかなりのものだし、スタートもしてなかったんじゃないかと思う。

サービス始めてみて、お客さんが来て、それで初めてわかったことが沢山あった。当時の会社経験の一切ないメンバーでは、そんなの想像することは不可能だったろうと思う。なので、当たって砕けろ、でやり始めたのが良かったんだと思う。

うん。そういうもんなんだろう。あれこれ考えすぎるより、まず試してみて、それから改善する。ダメだったら直ぐ辞める。それができる軽さが強みになったりもするんだろう。

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