美術館日記[14]モーリス・ユトリロ展ーモンマルトルの詩情ー@三鷹市美術ギャラリー2007.5.31
*この記事は過去に行った展覧会の感想をnoteにまとめ直しているものです。
現在行われている展覧会ではありません。
基本的に当時のものをそのまま書いています。
もはや登場する作品はおろか展覧会自体の記憶があやふやなものもあります…
太字のものは過去の私への現在の私からのコメントのようなものです。
*2010年のもので13まで書いたところで2007年の日記を発見!自分の記憶としてもおそらくこのノートが一番古い気がします。ということで時間を巻き戻しです。
ユトリロ:1883年12月26日モンマルトル生まれ。12歳で(!)飲酒の癖がひどくなる。20歳ごろ絵画を描き始め、22歳頃からモディリアニと親しくなり、シスレー、ピサロら印象派の影響を受ける。1955年11月5日71歳で死去。
詩的だとか、酒に溺れてたとかそういう人々が「画家」に求める理想像にあまりにもユトリロは当てはまりすぎてるんじゃないかと思っていて、ユトリロの本当の姿が少しでも見えないかと行った展覧会。
思った以上に作品の多くが日本にあった。
海外での評価はどうなんだろう??
照明がかなり落としてあった。
油絵は光に強いと思っていたけど、作品が割と弱っているのだろうか??
よく言えばユトリロの作品をひたすらに見ることができた、
悪く言えばユトリロがどんな人だったのかとか本当の昔のパリの様子は伝わってはこなかったかもしれない。
タイトルの通りあくまでも「詩情」を展示していた。
言ってしまえばユトリロの作品自体に私が探すメッセージ性なんてもの最初からなくてユトリロはただ絵の具を与えられたから描いていた、それだけなのかもしれないけれど、絵葉書を参考にパリの風景を描いているだけなのになぜか足が止まってしまう。
風景を描く画家(もどきも含めて(辛辣!))は昔も今もたくさんいるけど、たとえパリが描かれていようともその全ての作品に魅入られる訳ではない。
ユトリロはやっぱりすごいと思う。
ユトリロがどれだけ愛情を込めて絵を描いていたのかもわからない。
でも最初の頃と作品が売れるようになって求められて描くようになってからだと明らかに作品の質が違う。
“やっつけ仕事”とはこういうことを言うのかと。
あと彼の作品に人間が描かれると急に作品がよくなくなる。
たいして人間に愛情なんて持ってなかったんじゃないかな。
風景(建物)だけが描いてある方が色んなことを想像する。
「詩的」な風景画。
酒のために絵を描く。
「画家」が職業として成り立っていたうらやましい時代。
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