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フルリモート型チームビルディング研修の作り方

2020年4月入社の新入社員の多くは孤独と不安な3週間を過ごしてきたのではないか?

通勤自粛要請があるこの時期においても東京都内の企業のテレワークを実施率が26.0%という調査(*東京商工会議所調べ)を見ると多くの企業において新人に対して適切に業務や教育機会を与えられていないことが容易に想像がつく。

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リモート型の研修でできる限りの相互交流を生み出す!

「Web会議やWeb商談にスムーズに移行出来たのは、それまでの人間関係があったから」とよく言われる。
では、オンラインで初めてあった人同士が、その後もオンラインで仕事(研修)をし続ける上で、本音で議論がし合えるだけの関係性強化はできないのか?

新入社員として4月に入社すると同時にほぼ自宅待機となってしまった人達同士の関係性をリモート環境下でも高めるという取り組み、
題して「フルリモート型チームビルディング」の作り方」を紹介する。

チームビルディングというと次のようなアクティビティがイメージされる。
・みんなで富士登山やアスレチック
・真っ暗闇での体験(Dialog in the Dark)
・フラフープを使ったヘリウムリングなど
・マシュマロチャレンジ
身体的な負荷や制約、時間的な制限などの組みわせによって擬似的に困難な状況を乗り越える過程で、参加者同士の相互理解や尊重を高めることを目指していく。

フィジカルな活動は基本できず、どこか特殊な環境に赴くこともできない完全リモート環境で、上記に類するような”体験”を実現し、参加者同士の相互の交流を活発化させることが今回のチャレンジである。

作り方

準備編->当日運用編->事後編として本内容をご覧いただいた方が再現可能なように簡潔にまとめていく。


■準備編

準備編ポイントは3つである
1,全体の構成を考える
2,肝となるチャレンジ(アクテビティ)を考える
3,当日運用のイメトレ

1,全体の構成を考える
使える時間は2-3時間、半日、丸1日と場合によって異なると思うが、
基本は以下の3部構成が王道パターンである。(3時間の場合)
以下が直近で実践したことを若干加筆した例である。

▼ウォーミングアップ(1時間)
 -チェックイン(Goog&Newsなどを個人->小グループで)
 -自己紹介
▼本アクティビティ(1時間)
▼振り返り(1時間)
 -ショートレクチャー
 -チェックアウト(今の”感情”を1単語で表すと)

大事な点としては、真ん中の本アクティビティに繋がる(Web上での意思疎通の仕方の感覚がわかる)ウォームアップ設計ができると良い

*本アクティビティ以外は内容など割愛をしているがもしご興味あれば本投稿の下部からお問い合わせください^^

2,肝となるチャレンジ(アクテビティ)を考える
チャレンジの内容となるお題が最適に設定できれば、半分程度は成功ではないかと考える。ここで最適であるかどうかについて3つのコツがある。

・最適なお題設定のコツ1-難易度-
簡単過ぎず、でも難しすぎない”いい塩梅”の難易度設定が重要

・最適なお題設定のコツ2-サイズダウン可能か-
あるお題を出した時に、それを参加者が自ら分解、分担できる余地があるかを考えておく。
それを落とし所とするわけではなく、あくまで自分がそのお題を出されて、そこでリーダーシップを取ると仮定した時に、どうそれに対応するか?をイメージできるかどうか

・最適なお題設定のコツ3-創造的な制約設計-
全員がリモートで参加しているという条件をフル活用できる、いわゆる"地の利"の活用検討である。
コツ1の難易度とも関連するものであるが、30人の参加者がWeb会議のシステム上で横並びで表示されていて、どう意思疎通していけばいいかがわからないがゆえに、生きてくる挑戦はどんなものがあるかのクリエーティブ作業である。

=>上記コツ3つを使って、今のところベストだと個人的に考えるお題は、
制限時間内に初対面の同期全員の顔を名前を一致させよ!」である

3,当日運用のイメトレ
リアル型よりも当日のアドリブや誤魔化しが効きにくい(一気にしらける可能性が高い)ため、タイムテーブル毎に進行やそこで参加者にどんな行動をとってもらうと理想化のイメージトレーニングや練習が必要である。

■当日運用編

実施運営をする上で外せない事項を書きで紹介していく

機材やツールの操作
->オンラインでのグループワークには、Zoomのブレークアウトルームは他のWeb会議ツールに比して頭1つ抜けて優れていると思うが、この機能1つ使うにしても(そんなに難しいものではないが)グループ割は自動か手動か、グループワーク毎にこれを変えるか否か、制限時間の設定、グループワーク中の参加者からの事務局へのヘルプの出し方、講師の各グループへの巡回などは慣れや分担が必要である。

その他にも、画面共有、BGM、同室者がいる際にはそことのハイリング防止などオンラインでのフォリリテーとをしながら、機材やツールの操作はかなり忙しいことを心得ておく
ファシリテート上のコツ
->Web会議システムであれば機能的にはお互いの顔は見えるが、本当の意味での表情はなかなかわからないし気疲れしやすい。ここに配慮しながらの進行側の、テンション、声量、スピード、大きすぎるくらいのジェスチャー、参加者の名前をこまめに呼びかけるなどのオンラインファシリテートならではの工夫が必要となる
・Googleドキュメント/スライド、Miroなどのコラボレーションツール活用
共同編集ツールの積極利用は、オンライン研修における成果物の精度を向上させる。積極的に利用したいし、そのためにフォーマットを事前に用意してくとスムーズである。旧来の研修のワークシートを印刷して配布していたように、Googleスライドをグループ数分事前に作ってくなどをしておくと良い。参加者も次第にされてくると、自ら使いやすいフォーマットやその共有がされだしたら大成功


その他上記以外にも、参加時の点呼の仕方、カウントタイマー、資料の切り替えなど、”慣れ”が必要な部分も他にもあるが、将来的にはこの辺りの運用付加を下げて、参加者の学習体験を向上させるノウハウを積極的にためて行きたい。


■事後編

1度の限られた時間の中でのチームビルディングが完成することはない、
この機会での学びを今後も続くであろうリモート学習、リモート勤務に生かしていくか?の参加者各自の意識や行動指針の目標設定と、定期的な振り返り機会が設定できるとさらに良い。

面白きことなきリモート研修をもっと面白く

eラーニングがオンライン学習など、物理的に集まることができない代替手段として、妥協的に採用されていることが多いリモート研修/学習であるが、リモートであるということを前向きな所与の条件として、創造性を総動員しエンターテイメントにしていくことが私の目下の目標である。

研修や学習を実験的に扱いものではないかもしれないが、今後も様々な挑戦をしていきたい

もし個別でのご質問などあればご連絡ください。

Twitter: @S_YUDAI
メール:yudai.shimoyama@codecamp.jp

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