ぼくら夫婦がSAKE TEAベンチャー“LUDENS”を立ち上げる理由
「私、皆さんと集まるのが、すっごく楽しくて、ぜひまた次会う約束をしたいです!」
深夜0時、妻と共通の友人ら複数人で飲んでいて、その帰り際に一人の友人が言った。表情の輝きから、心の奥底から出た台詞であることがわかった。コロナの影響や日々の忙しさで、周囲の人とも疎遠になっていたという。
ぼくもぜひまた集まりたいと思っていたし、妻も、またそれ以外の友人もみんなそう思っていた。ぼくらは次会う日を約束し、解散した。
ああ、人間ってこんなにも人と遊ぶことが好きなんだな──
そう思わされるきっかけであった。
オランダの歴史学者のホイジンガは、人間を「ホモ・ルーデンス(遊ぶ人)」と定義した。踊りや音楽、芸術、スポーツなど、人間は遊びの中でさまざまな文化を生み出してきた。
大人になってからの最も身近な遊びの一つといえば、人との会話になるだろう。人との会話は、それ自体が楽しくて幸せを感じられる行為であり、大切な友人やパートナーをつくる上でも重要な役割を果たしている。
遊ぶこと、人との会話を楽しむこと──
それは、人間本来のあり方とされているにもかからわらず、現代社会においてはひどく見過ごされている価値のように思える。
ぼくらは否が応でも社会システムの中で生活をしている。そのことに無自覚でいると、いつの間にか社会の沼に取り込まれ、効率性や損得、目的意識などにとらわれた生き方を迫られることとなる。
そんな日常から遊びを取り戻すため、ぼくら夫婦はよくホームパーティーを催した。家族や友人を招いて、ある時はお酒、ある時はお茶を囲みながら、何気ない会話を楽しんだ。家というパーソナル空間で時間を共にしたことで、なんだか普段よりもグッと親密になるような気がした。
こうした会を重ねることにより、ぼくら夫婦は前よりもずっと、身の回りの人たちを大切な仲間だと思うようになっていった。そして、大切な仲間がいるということが、この先の人生もずっと幸せだろうなと思わせてくれる礎であることを実感した。また、このような感覚は、遊ぶこと、人との会話を楽しむことを通じて培われていった。
人間がより人間らしく生きる世界をつくりたい。
大人の遊ぶきっかけ、人との会話を楽しむきっかけをつくりたい。
こうした思いを背景に、LUDENSのSAKE TEAは誕生した。SAKE TEAとは、日本酒とお茶をベースとした新しいジャンルのお酒である。
ぼくら夫婦は、日本酒やお茶が好きだった。そしてこれらは、いつも仲間との大切なひとときを引き立てるアクセントでもあった。また、歴史的に見ても、日本酒やお茶は、人々が楽しみ、交流し、親密な関係を築くための場をつくり出してきた。
LUDENSのSAKE TEAは、そんな大人の遊びを彩り、日常に特別なムードを添えるブランドであって欲しいとの願いを込めてつくった。
各ラインナップは、「寛ぎの時」、「祝いの時」のように、それぞれが演出するムードをそのまま名前にした。今日はみんなと一緒にくつろぎたい、誰かをお祝いしたい、といったように、その人の相手を思う気持ちが名前からダイレクトに伝わるようなお酒にしたいと思ったからだ。
また、「寛ぎの時」であれば「焚き火」、「祝いの時」であれば「花束」のように、それぞれのムードを盛り上げるテーマを決めた。そして、そのテーマを感じさせる香りや味わいになるよう日本酒や茶葉、ハーブ、スパイスを調合し、一つ一つのラインナップを仕立て上げた。
最後にアルコール度数についても、「寛ぎの時」であれは、ほんのり酔える低アルコールの5%、「祝いの時」であれば、飲みやすくてお祝いのお酒感も楽しめる7%、といったようにムードに合わせて調整した。
こうしたさまざまな思いの積み重ねと、思いに共感してくれた多方面のプロフェッショナルの協力により、LUDENSのSAKE TEAは生まれた。多くの方にとって、特別な一本となりますように。
LUDENS
永安祐大 大愛景子
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