彼女との出会いと別れ2(付き合うまで)

この女性と付き合いたい。心の底からそう思った。

しかし、当時の自分は彼女にとっては到底理想の人ではないのも理解していた。

しばらく恋人がいなかったこともあり、不摂生な生活をしていたために、少し太っていたりもした。

このままじゃいけない。ここで僕は自分を変える決意をした。そして、彼女に告げた。

「1ヶ月待ってほしい。もし変わった僕を見て好きになってくれたら、その時は俺と付き合ってほしい。」

彼女は少し照れながら、「楽しみに待ってる!」と言ってくれた。

それからは自分にできることは全てやった。まず、ジムを契約した。

仕事の関係上、夜は遅くなるので、毎朝5時半に起きてジムに通った。 

YouTubeで栄養について学びつつ、筋トレと有酸素運動を徹底的に行なった。

足がグラグラで吐きそうになることもあった。しかし、自分を変えたいという一心で絶対に辞めなかった。

食事にも気を使うようになった。

私はケトジェニックダイエットという、炭水化物ではなく脂質をエネルギーとするダイエットを選択した。

食費はかさむことになったが、その期間は徹底した。山本義徳さんのYouTubeを参考に、毎日の栄養を徹底的に計算して実践した。

大好きだった缶コーヒーも全て断ち、基本的に飲み物も水しか飲まなかった。

その間ももちろん仕事は続けた。

分からなくて大変なことばかりだったが、隙間時間に勉強して、なんとかくらいつこうと毎日奮闘していた。

また、彼女との交流も欠かさなかった。

変化を見せたかったので、彼女との話し合いの末、この1ヶ月はお互いを見ないというルールを作った。会社内ではなるべくお互いの交流をしないようにした。

しかし一方で、週に2、3回zoomで会話は欠かさなかった。もちろん、画面はオフで相手の顔を見えなかったが、毎回毎回とても楽しかった。

彼女も「早く会いたい。」と頻繁に口にするようになり、彼女への気持ちはますます高まっていった。

そして、1ヶ月を迎えた。

この間の成果というと、1ヶ月で体重を約5kg(体脂肪率17%→13%)落とした。

なるべく筋肉を落とさず脂肪を落とすように努力していたため、周りからも痩せて引き締まったねと言われるほどには、変わることができた。

そして、再会の日を迎えた。

場所は池袋駅。先に集合場所に着いていた彼女に、後ろから「お待たせ!久しぶりだね!」と声をかけた。

振り向いた彼女は、照れて目線を逸らしながら「変わったね!」と微笑んでくれた。

その日はカラオケを一緒に楽しみ、池袋駅にある西武デパートの屋上で2人で夕食をとった。

そこは空中庭園と呼ばれるオシャレな場所で、僕はここで彼女に思いを伝えることに決めていた。

ひとしきり夕食を楽しんだのち、話を切り出そうとした。

僕の想いを伝えようとしたその瞬間、彼女が突然「話さなくちゃならないことがある。」と言った。

とても言いにくそうではあったが、僕にはそれを聞かないという選択肢はなかった。

彼女は

「実は私の実家に元カレが住んでるんだ。元カレの家庭の事情が少し複雑で、付き合ってた頃に私の実家に住み始めたの。もう全く恋心はないし、家族みたいな存在になってる。でも、私は先月一人暮らしを始めた。少しでも○○くん(僕の呼称)に誠意を見せたくて、、こんな私でもいい?」

そう言われた。

内心僕はとても驚いた。しかし同時に嬉しくもあった。今までずっと実家暮らしだった彼女にとって、急に一人暮らしを始めることは負担だったはずだ。

しかし私のために行動に移してくれたことが嬉しかったのだ。そしてそのカミングアウトは、僕が彼女を好きでなくなる理由にはならなかった。

その元カレとは2人で遊びに行かないことを2人で決めたのち、僕は想いを伝えた。

「俺は不器用だし、またまだ□□(彼女の呼称)の理想の人じゃないかもしれない。でも、□□を好きな気持ちは本物なんだ。だから、俺と付き合ってくれませんか?」

今思えば、赤面するほど臭いセリフだが、本当にありのままの気持ちを口にした。

彼女は「私も○○くん(僕が呼称)がいい。これからよろしくお願いします。」

と言ってくれた。

こうして少し歪ながらも彼女との恋人しての生活が始まった。

*長くなるので、続きは彼女との出会いと別れ3に記述します。

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