ハンドボールのスローイング・メカニズム Vol.3
ハンドボールの科学は毎週金曜日に更新!
ハンドボールの科学は,エビデンスベースでハンドボールに関わらず,幅広い分野の研究からハンドボールに応用して
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文献情報
タイトル
A Comparison of Overarm Throwing with the Dominant and Nondominant Arm in Experienced Team Handball players
著者
Roland van den Tillaar , Gertjan Ettema
ジャーナル
Perceptual and Motor Skills, 109 315-326,2009
まとめ
・利き腕と非利き腕間にみられる投球速度の相違は,一般的に関節運動の最大速度の減少によるものである
・肩の内旋の最大角速度の低下は,ボール速度に影響を及ぼす
・肩の内旋の最大角速度が動作初期に発生することはボール速度に負の影響を及ぼす
したがって,
熟達した投球腕の動きとそうでない腕の動きを比較すると,
関節運動の速度(角速度の最大値)とその発生タイミングに差が生じる.特に肩の内旋の変化は重要!
方法
写真を参照
わかったこと!
写真を参照
この研究の現場への活かし方
今回の研究では7mスローの投球動作を対象とした研究です!ノルウェー代表レベルの選手を対象としているので,非常に有益なデータです.また,ユニークな点としては,
「投球腕と逆側の腕で投げたら何が違うのか?」
ということが調べられる実験設定になっています!
ボール初速度は,明らかに投球腕で投げた方が速い!ということは想像できますね!実際にこの研究でも明らかになりました!では,なんで遅くなるのでしょうか?この研究から言えば,動作全体(この研究でいう関節を動かす速度)が非投球腕では遅くなることが原因であると考えられます!特に肩の内旋の重要性がこの論文は語られています.やはり,多くの投球系の研究でも言われている肩の内旋が重要のようです!
個人的には,体幹の回旋角速度の低下によるものではないのかな?と予測してます.また,最大外旋角の減少など,動きの大きさも影響するようですね.
ですが,そのような動き単体の速度で語るより
「単純に下手くそになるやろ,逆側で投げたら😄」
と思うのです.下手くそだから,速度が出ないとも言えますが,上手な選手は適切なタイミンングで身体を加速させて投げるので,いわゆるコーディネーション的部分が関連していると思っています.
簡単に運動連鎖と言いますが,実は運動連鎖しているかどうかを正確に確かめる方法は確立されておりません!投球動作の研究では,よく関節の線速度のpピークタイミングの位相ずれで,それを表現したります.投球動作では近位(体感部に近い部位)から遠位(末端:手首など)にかけて,徐々に速度のピークが出現するとされており,パフォーマンスの高い選手のパタンであるとされています.しかし,実はハンドボールや水球ではそのパタンが現れないことが多くの研究で明らかになっています.だからといって,ハンドボールの投球は運動連鎖していないか!と言われたら,,,う〜〜〜ん笑...なのです.
とにかく,この研究を現場に生かすとしたら,やはり体幹の回旋速度とそれに追従した肩の内旋速度を高めるようなトレーニングやドリルの考案が求められるでしょう!
ハンドボールを徹底的に学び合えるオンラインスクール「kocs(コチ)」では,ハンドボールの投球動作に関する情報としてZOOMでセミナーしたりしてます!!もし,ご興味があれば,Facebookにてご連絡ください!また,公式Instagram,Twitterアカウントもあるので是非フォローを!
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それでは!
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■ 名前
鈴木 雄大(すずき ゆうだい)
■履歴
日本体育大学 体育学部 健康学科(体育学)→日本体育大学大学院 コーチング
学専攻 博士前期課程(コーチング学)→青森県スポーツ科学センター
■大学院博士前期課程での研究テーマ
「ハンドボール選手の投球動作の3次元動作分析とバイオメカニクスを活用した指導法の構築」
■ハンドボール指導歴
高校男子(2014〜2015)→高校女子(2015〜2020)
日本体育大学女子ハンドボール部 アナリスト(2018〜2020)
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