【論文紹介】戦術を深めよう!セットOF!
ハンドボールの科学というマガジンなので,投球動作だけでなく,他分野の研究からも考察してみようと思います!今回は筑波大の大西先生の論文です.有名な論文で,現在のハンドボールの研究者の方々はほぼ全員読んでいるのではないでしょうか.この論文から言えることは,世界のトレンドではありません.1998年の論文なので,現代のハンドボールとはまたトレンド違う点もあるかと思います.注視すべき点は『攻撃戦術の細分化』です.もはや,多くの方が反だれてボールのオフェンス・プロセスを理解されていると思いますが,おそらくその概念の原点になった論文なのではないでしょうか?
タイトル
ハンドボールにおける世界のトップレベルチームの戦術について
ーセットオフェンスの戦術ー
著者
大西武三
ジャーナル
筑波大学体育科学系紀要 (1998)
方法
対象試合:1997年正解ハンドボール選手権大会
対象国:フランス,ロシア(優勝国),スウェーデン
第1攻撃プロセス:位置取り→きっかけ→展開→突破
第2攻撃プロセス:位置取り→きっかけ→突破
第3攻撃プロセス:位置取り→きっかけ局面での突破
結果
・セットオフェンスで総攻撃回数のうち,シュートに結びつくのは約48%
・第1攻撃プロセス:↑のうち約23%以上
・第2攻撃プロセス:約25パーセント
・第3攻撃プロセス:約50%以上
→よって,非常に短い攻撃時間で得点を取る傾向にあった.
シュート成功率
・第1攻撃プロセス:2番目に高い
・第2攻撃プロセス:1番高い
・第3攻撃プロセス:3番目に高い
・シングルポストで中央に位置取ることが大半(トランジションやチームによってばらつきあり)
・頻出パターンとして,パラレルプレイによるセンターからのトランジションor1対1or縦の2 on 2を使って
セットオフェンスの流れ
セットオフェンスのフローチャートを見ると,その局面がよく理解できる.コーチ陣はこれらの流れに沿って攻撃をオーガナイズしていくと,試合分析時にどの時点でのミスが顕著なのかが分かるでしょう!また,相手の分析にも役立ちます.選手も,まずは規律のあるプレーを重じるためにもこれを理解することを推奨します!「自由は規律があってこそ成り立つものです」.自由とエゴは違います.一回のセットオフェンスを組み立てることの責任も感じるべきですね!
きっかけの応酬の欧州
現代のハンドボールはこの時代(1990年代)を皮切りに,高速化し,スキルフルな選手が多くなってきたと聞きます.現在の欧州ハンドボールを見ると,高身長,高体重,高速度でのある程度,ベーシックなきっかけ戦術とチーム独自の戦術のミックスで戦うこうと多い印象です.また,最近の男子のトレンドとしては,「頻出のきっかけ戦術の複合」ではないでしょうか?スペイン05+ユーゴやスイスサークル+ジェール11など,新しいの見つけ方が「完全な新規ではなく,MIXさせる」がトレンドようです!
ハンドボールのオンラインサロン「kocs」では,ハンドボールの投球動作に関する情報としてZOOMでセミナーしたりしてます!!もし,ご興味があれば,Facebookにてご連絡ください!それでは!
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