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【論文紹介】ボディコンタクトの強さの決定要因とは!?

今回は論文の紹介とは言ったものの,ハンドボールにおけるボディコンタクトを評価したいなぁと思っていて思いついて論文調べてったら,ラグビーで似たような方法で値を算出していたので,それに則って話していくので,紹介する論文のデータ内容などはあんまり触れないと思うのでご容赦ください.

はじめに

選手時代,身長は低いもののパワーで弾き飛ばす,強く守れることを武器に戦ってきた鈴木は「何で自分は相手よりも体重が軽いし,身長もないのにコンタクトプレーに強いんだろう?」と疑問に思っていました.最初は「やっぱり筋肉だろ!パワーだろ!」と思っていたんですけど,いくら体重があっても,コンタクトに弱い奴は弱かったし,軽いのに強い奴は強い.まず『体重が全てどんどん飯食えば強くなる理論』は今を思うとこの課題の中枢ではあるものの,それだけでは不十分であると断言できます.そもそも体重だけ増やしても,それが水や脂肪であれば,パワーが出せるのでしょうか?ゲームばっかりやっている100キロのボンボンとバキバキのキレキレの70キロが相撲で勝負したらどっちが勝つかなんて明白ですよね?元々,フィジークも出たことがあり,フィットネスの知識もある程度備わっている鈴木的にいうと,やはり除脂肪体重量,すなわち脂肪以外の体重で評価してナンボだと思います.そこから,さらに色々勉強すると体脂肪率の計算も本当に高い精度を誇る機会でないと正確に値が算出されないということがわかってきました.某バズーカ先生は「鏡の自分こそ真実」と仰っていましたね.これが現状の選手の体内の評価といては最適解だと思います.次に,研究の専門領域が運動力学だったこともあり,バイメカ的にボディコンタクトを見るようになってきました.

はい!このような経緯があって,この論文を探すに至りました!英論文ですが,DeepLにかけてしまって読めば簡単に情報が手に入ります!(英語が読めてこしたことはないですけどね!)

論文の紹介

Momentum and Kinetic Energy before the Tackle in Rugby Union
Sharief Hendricks, David Karpul and Mike Lambert
Journal of Sports Science and Medicine (2014) 13, 557-563

元々,こんな計算すればボディコンタクト強度の指標が出せるんちゃうの?と思っていました!

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結論


『この式でボディコンタクトがある程度評価されるのであれば,”体重”と”コンタクトまでの速度”でその強度は決まる』.かもしれないということです.もちろん,スキル的な要素もあるので全てではありません!
この鈴木なりの結論から考察するに,骨格的限界まで体重を増加させて,それを筋量でまかない...とやるのはあまりに時間がかかりすぎます笑.高い運動量を持っていたボール持っている選手それよりも,『コンタクトに行くまでの速度を爆上げする』という方向で捉えた方が合理的でしょう.おそらくこれは2パターンに分かれます.

① 長く走り,身体を加速させてから当たる
② 瞬間的に,爆発的に加速する

ラグビーはコートも広く長くスプリントできます,つまり,ハンドボールに比べて助走は取りやすいと言えるでしょう.現に本論の結果からもコンタクト前の運動量はボール運んでくる選手の方が高い結果となっています.これをハンドボール に置き換えると,同じようなことができるでしょうか?おそらく無理でしょうし,一発退場になるようなプレーが想像されますね!!よって,上記の②の方法でトレーニングやスキルをとれていった方が良さそうです!ここで,最初の鈴木の疑問に立ち返ると大方の答えが導き出せます.

つまり,『鈴木はコンタクトに行くまでの,カットインまでの急激な加速に優れており,かつ体重が大きかったから当たり負けしなかった!』と考えられます!

小さい選手もただガムシャラに体重を増やそうとしても,スピードだけを極めようとしてもだめ!
『急激に加減速ができ,かつ強靭な肉体があってこそ小さい選手は生きる!』とも言えるかと思います!
現スロベニア男子代表監督もブラニエスもそんなプレースタイルですよね!彼は身長167センチくらいだったと思います!!コートが小さく,上に行けば行くほどスペースも小さくなり,コンタクトプレーは年齢とレベルが上がるにつれて比例して大きくなってゆきます.こういう方向性で鍛えていく,スキルを高めていくことが大事かと!

補足の考察

補足ですが,唯一ロングスプリントができる状況な速攻時は,空間に向かってドリブル,もしくはパスをもらったら,割とDFに詰められても,パスではなく確実にゴールを狙うべき!ということも今回の論文から言えます!同じ体重の選手で一方は高速でスプリントしてきて,もう一方はバックステップなどをしながら戻りながら加速しなければならい状況だったら,圧倒的に前者の選手,すなわちOFの運動量が圧倒的です.海外のリーグ選手やアンダーのフランス代表やスペイン代表の男子を見ても速攻もパス回数は非常に少ないです.また,全体のスピードが乗り切らず,そこそこ戻り切られてしまったら,すぐさま局面を融合させて,DFを正しい位置にセットする前にスペーシングとある程度乗っているスピード生かしてセットプレーに転じます.非常に難しい局面融合ですが,こう言った見方をする尚更,その重要性が見えてきますね!

それでは!

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