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くらげの夢、の続き

昨日描いた抽象画「くらげの夢」と文庫本の装丁、楽曲をモチーフに、山田唄さんが短編小説を書いてくださいました。

小説はこちらから。

昨日の記事に書いたお話の原案や3000字ほどの短編小説にしたいというぼやきも拾ってくださり、大変読みやすく素敵な作品に……ありがとうございます!

というわけで、改めて装丁を作り直してみました。

ちゃっかり原案に自分の名前を入れるという。素敵なファンアートをいただけて幸せです。愛のある物語が好き。

楽曲も改めて貼っておきます。

■ 読み終わった人向け感想まとめ

ここからは読み終わった方向けに私の感想をまとめておきます。ほとんど山田さん本人にDMした内容なので、読み辛いかもしれませんが……とても好きなお話なので、読んだ方が改めて今作を味わう一助になれば。

終始ビジュアルとして挿入されるくらげの水槽の絵面と、くらりげくらりげの反復が記憶を導くキーワードになっている構成が見事で、モチーフへの愛を感じました。

少しずつ回復していく認知や、水槽に「ひたり」と手を当てる触感が戻ってきている何気ない描写が素晴らしいです。

あと今回の作品に出てくる2人の女性像がとてもいいです。
精神科医の先生が恋人でもおかしくないなと読み進めていたのですが、読者が触れるのは主人公の記憶の中の恋人と、現実の世界にいる恋人の妹で、その対比の構成も見事だと思います。

恋人(の記憶)はくらげのようにおぼろげなのもテーマに合っていてとても良い。読めば読むほど素敵。掘れば掘るほど見事な構成。

文体も淡々としていると思わせて、主人公の人間性も伝わってくるような感じが……胸を掻きむしる自傷の表現にグッときちゃいました。爪の保護具はある意味先生の愛だと思います(主人公には気付かれないけど)。

気付かれない部分に愛を注ぎ続けられる人、マジで好きですね……。先生がやりとりの中に女性性を出さず、ただの聞き手として数ヶ月寄り添い続けたのも凄すぎる。もともとはタメ語で話すくらいフランクな間柄だったのにも関わらず。推してしまうじゃないか……。

素敵な読み物を体感しました。そう、体感。ありありと体感できた。そのことが一番すごいなあと思います。文章に限らず、私が創作物に求めるのってそういうところなんだなあと改めて思いました。

山田さん、改めて素敵な作品をありがとうございました!

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