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アヴァリエル

抽象画を描きました。また海がモチーフ。夏の終わりが近づいてきた感じがします。

グレーがかった青緑が好きなんですよね。何か適当に一人キャラデザしてくださいと言われたらこの色を髪の色に使うと思う。

■ 今日の1枚

Averielle 2022.8.26

淡い海のようなテクスチャに、最後に墨のようなものを重ねて作りました。目を凝らすと黒の中に別の色が見えてくるような画面が好きです。焼き込みカラーで茶色を重ねて、不透明度も82%まで落として出した色。

制作時間は5分。初手で今までにないテクスチャ感が出たのであまり迷わなかった。今まで組み合わせたことがないというだけで自分の中で価値を持ってしまう。

■ CDジャケットにしてみた

Averielle

全体的には灰と青緑なんだけど、うっすら彩度高めのグリーンの名残が見えているのがお気に入り。

最近、小さなサムネイルで見た時と原寸で描いている時の印象の違いがどこから生まれるのか気になっている。

あと、トリミングによる印象の違いも。先日話した「図形を入れる」構図の作り方というのも、結局その図形がどれだけ見切れるかで認知できるかできないかも変わってくる。

私は「描かれていない画面の外側を感じさせる」絵が素晴らしいと感じるタイプなのだけれど、世の中の大多数の人にとっては「描かれていないものの話をしても仕方がない」のだろうな。

でも絶対無意識レベルでは注意を惹かれたりしていると思うんだよな〜。それを認識することができないだけで。解明したいなあと思う。

■ 文庫本の表紙にしてみた

『アヴァリエル』

なんとなく響きでつけたタイトルだけど、google翻訳に入れてみたら「Averielle」はスペイン語で「探し出す」という意味らしい。なんでそんないい感じの単語引き当てるの? 私の直感力やばくない?

vuefloorさんと共同制作した「Ciente」という曲のタイトルをつけた時もそうだった。スペイン語の三日月「luna creciente」のお尻の部分を取ったのだけれど、「ciente」はポルトガル語で「わかっている」という意味だそうな。かっこよすぎん……?

本の内容は、なんらかの病気またはその後遺症で脳にモヤがかかる「ブレインフォグ」の症状に悩まされるゴーストライターが、思考の霧の中を歩きながら自分を取り戻していく話。

小説が書けなければ当然自分を利用していた小説家の先生にも切られるし、今や主人公には告発文を書く能力すらない。この世からすっぽりと自分の存在が消えたような気分になる。肉体が酸素や食糧を消費するだけの日々。

途中で仲良くしてくれていた友人の言葉がうまく理解できなくなり、会話が噛み合わなくなっていく。本来の思慮深い自分というパーソナリティすら消えてしまったことに酷く落ち込む。

これ以上は……。
私の頭がうまく働かないので考えられませんでした。笑

でも自分がこの本を執筆するとしたら、この時に友人がかけてくれた言葉は全カットして、後から一人の時になんらかの拍子に思い出す形で入れると思う。たぶんそれが一番、実状に近い。霧が晴れる瞬間もあるだろうから。

タイトルの『アヴァリエル』は「(言葉を)探し出す」という意味にしておこうかな。表紙の黒いモヤがちょうど思考を邪魔している霧のようだ。実際には一度こびりつくと離れない、粘性の高いオイルのようなものだと思っている。

■ おわりに

頭が働いている時は思考が跳躍して(跳躍としか言いようがない)、人に説明するのに何段も何段も但し書きを入れなくてはならない気持ちになるし、頭が働いていなければそれはそれで支離滅裂になる。やりにくい。

noteは未来の自分用の書き置きだから配慮する必要もないのだけれど。一段、もう一段と深い思考状態に潜ろうとする性質があって、度々思考の海で迷子になることがある。

そうか、今日の絵はそんな「思考の海とそれを遮る黒い霧」だったのか。スッキリした。とりあえず疲れたからもう寝よう。

ここまで読んでくださりありがとうございました。
ではまた次回!

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