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背景のあるイラストを描いてみた話

新しいイラストを描きました。ラフは夏頃に描いてあったものを流用して、寸劇と掌編小説のサムネイルになるように仕上げました。

■ 今回の制作テーマ

・背景を描く
・アニメ映画のキャプチャ風にする

シンプルにこれだけでした。今まで向き合ってこなかったものに向き合うのは勇気がいりましたが、手元で進めて撃沈していたもう一枚の絵に比べると比較的楽に思えたので、怪我の功名といった感じです。

昔から顔ばかり描いていて背景のあるイラストを描いてこなかった人間なのですが、創作の世界観を伝えるのに必要なことな気がして、最近はちょっとずつ挑戦しています。

■ 背景に色がついてさえいればいい

前回のイラストで「背景に色がついてさえいればいい!」という気付きを得たので、半分描写、半分テクスチャというなんちゃって方式で背景を仕上げることにしました。

■ ラフ(15分くらい)

夏頃に描いてあったラフ

今回描いたのは創作キャラクターの騎士団員グリスです。16歳。
なんとなく塗れば仕上がる気配があったので、今回はこちらのデータをそのままお絵かきソフトのProcreateで仕上げていくことにしました。

■ iPadの画面を立てて描く!

余談ですが、今月に入ってからiPadの画面を立てた状態で絵を描くようにしています。机に平らに乗せた状態では、画面に近づいたり離れたりできる距離が短くなるので、全体の印象を把握できないまま筆を進めることが多くなっていたんです。

iPadを立てて描くことでペンを握って紙に絵を描くときの手癖のようなものともおさらばできて、より目と頭を使って絵を描けるようになった気がします。というのも、今の私は手癖で完成度が上げられるほど絵を描き慣れていないからです。

少しだけ画面から気持ちを離して、客観的に演出を考えられる状態は色んな意味で気楽で良いです。あと、投稿した画像をスマホで見る時とほぼ画角が変わらないので、描いている時との印象の違いでびっくりすることが減りました。地味にストレスだったので解消できてよかったです。

■ 着彩・色パレット作り

抽象背景

実は途中でいつもの抽象テクスチャ背景に逃げようとしていました。でもここからでは完成度が上がりそうになかったので、諦めて画面左側に大きな樹を描くことに。

また、逆光表現のための全体影を乗算レイヤーで重ねるため、元の色を把握しておくため一番上のレイヤーに色パレットを用意しておくことにしました。

■ 背景の樹を描く

木の幹のシルエットを描く

通常レイヤーと乗算レイヤーを3枚ほど使い、木の幹っぽいテクスチャのあるブラシでガシガシと幹を描いていきます。重なったところが濃くなってくれるので濃淡が勝手につきます。

使用ブラシ:Procreate プリムソール

木肌を描く

レイヤーモード:スクリーンで木肌を描いていきます。省エネ制作なのでそこまで描き込みはしません。それにしてもいいテクスチャだな〜。うっとりしますね。

使用ブラシ:Procreate オールドビーチ

暗い部分、節穴を描く

木肌のレイヤーの色を黄色に変えました。乗算レイヤーで一番暗い部分のへこみと節穴を描き込みます。省エネ省エネ。

【使用ブラシ】Procreate オールドビーチ

■ 人物の描き込み〜仕上げ

完成イラスト

ここからが長かった……!

最近ハマっているコーラルカラーで肩や頬、髪に光を描いたり、ベストの陰影を描いたり、お顔のパーツの配置を調整したり……完成だ!と思ってからがとにかく長い。この記事を描きながらも色々と手を入れました。

お顔が妹のメリッサちゃんと兄妹だな〜とわかる感じに可愛く描けたので気に入ってます。

ここのところ逆光好きに拍車がかかり、じっくり目を凝らさないと細部が見えないくらいの演出を好むようになってきました。売れ線から遠ざかっていきますが、それもまたよし。

■ 空間の演出

アニメ映画のワンシーンのようにしたかったので、空間遠近演出のための光のレイヤーを入れたり、画面下からレイヤーモード:ハードライトの黄色い照り返しレイヤーを入れたりしています。これを入れておくと、カメラとキャラクターの間に空気の層ができる感じがしています。

新海誠監督がアニメ映画『秒速5センチメートル』のときに画面下からピンクの照り返しを入れていて、幻想的で素敵だな〜と思っていたんですよね。知らない方は是非画像検索してみてください。

今回のイラストではレイヤーの表示・非表示を切り替えて見ないとほとんど違いがわからない程度にしか入れていませんが、わからないくらいさりげないほうが私の絵柄には合っているような気がします。

■ まとめ

制作時間は記録にあるだけで3時間半。完成だと思ってから更に40分くらい作業してます(実時間だともっとかかった)。

掌編小説をnoteに投稿する際のサムネイルにしたくて作業を始めたので、表現したいイメージと目的がはっきりしていてかなり作業しやすかったです。描けば終わると思っていたというか……制作に踏み切ってよかった。背景も描けたし!

これまた余談ですが空間とかシルエットとかいう実像じゃない部分に惹かれてしまうのはとても自分らしいというか、音楽制作でも音色やリバーブ感などの空間演出に極振りしているところがあり、自分の脳の認知機能がそういう風に組み上がっているのかなあと思ったりしました。

年明けには何かが掴めているといいな〜と思います。
大きく体調を崩すこともなく、今年はとてもよい年末が過ごせました。

ここまで読んでくださってありがとうございます。
よいお年をお迎えください!




■ このイラストを使った小説はこちら

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