見出し画像

新川蘭Birth day Green Garden ~コロナ禍の初主催有観客ライブ~2020年8月19日のエレファンク庭

8月19日(水)、東京・港区 ライブハウス・青山RiZM。
この日はエレファンク庭のメンバー、新川蘭のバースデー。

アイドルの"生誕祭"はライブアイドルにとっての恒例行事。
通例だと主役となる娘の仲の良いアイドルグループを呼んで演目の一つとして、一夜限りの特別ステージ(ソロでのステージ等)を披露したり、ファン有志(いわゆる"生誕委員")が事前に、会場にスタンドフラワーを注文したり、お祝いのメッセージカードを広く集めたり、凝ったデザインの誕生日ケーキを用意する"お祭り"、なのではあるが、

2020年夏、ライブハウスは営業再開もコロナ禍の真っ只中。さまざまな制限の中、メンバー、スタッフ、お客さんの感染を防ぐため細心の注意と東京都のガイドラインに乗っ取って開催されることとなった。

まずは入場者数の制限。
エレファンク庭が主催ライブを行うことが多い今回のライブハウス、青山RiZMは250人収容の地下のライブハウス。
事前申込による抽選制で、今回は45名限定のライブとなった。
入場前には、お客さんの名前、住所、連絡先、簡単な問診票を記入し、簡易体温計で検温(37度5分以上あると入場禁止となる)の後、入場。
以前なら会場内のバーカウンターでアルコール類を含むドリンク販売があったのだが、都のガイドラインに基づき、アルコール類の販売は停止。ドリンク代600円はペットボトルのお茶かミネラルウォーターどちらかを受け取りフロアへ。
当日、フロアには白テープで×印がテーピングされ、ステージから2メートル離れたところが最前列となり、お客さん同士が一定の距離を保つ仕組みに。
当然、マスクは着用。案内こそ無かったがライブハウスの受付ではフェイスガードが400円で販売されている模様。
ライブ中は×印からの移動は原則禁止(モッシュ、リフト、サークルなど当然禁止)。大声で叫ぶ、コールする、MIXを打つ(説明は難しいが、ヲタク特有の言葉遊び)のも禁止。開演前に2回ほどライブハウス側からの公演に関する注意事項のアナウンス、場内の換気(防音扉が解放)があるなど、これまでとは違った光景でした。

今回のバースデー公演はエレファンク庭のみのライブ。
他の演者さんを呼ばないことで感染リスクを下げる、感染経路を明確にするほか、楽屋、控室での密を避けるための判断と考えても良い。
8月4日にメンバーの卒業と脱退が発表され、5人から3人体制での再スタートとなったエレファンク庭。卒業する東条優希は9月まではエレファンク庭のメンバーであるものの、健康上の理由からライブ活動を休止、激しいダンスを伴うエレファンク庭のライブステージでの活動は困難との発表だったが、ライブ終盤、MC中にステージに東条が呼び込まれると、スタンドマイクが準備され、このグループの原点とも言えるデビュー曲「立つ鳥跡を濁せ」の初披露となるアコースティックバージョンを唄いあげるサプライズ。
モデルとして活動し、エレファンク庭として初めてアイドルとしてステージに立ち1年半、東条優希が最後のライブ出演で唄うのがデビューライブで一曲目に唄った曲だった。

永遠に生きるつもりで 愛抱け
今日で死ぬくらいの姿勢で今 生きるんだ
永遠に生きるつもりで 愛抱け
後悔するくらいの姿勢で今愛を叫ぼう
過去や未来はいらない 今

立つ鳥跡を濁せ 恋は刹那
思い立ったら吉日 声は刹那
後悔なんてナンセンス 無様でこそ
立つ鳥跡を濁せ 恋は刹那
一度きり人生だから

画像:エレファンク庭、椎名美友、新川蘭、早見嘉純、東条優希

今思うと、エレファンク庭の運営スタッフが彼女に向けて贈ったエールとも感じ取れる一曲だったのかも。

約1時間のステージの最後はこの日の主役、新川蘭によるピアノ弾き語り「地元LOVE」。
ピアノは"多少習っていた"ほどの実力の新川蘭のチャレンジ企画で、今まで見たことないくらいぎこちないというか緊張ぶりで、エレファンク庭のライブでもなかなかお目にかかれないレア曲「地元LOVE」を弾き語るという。
楽譜もなく一から一音一音、耳コピして書き上げた。
キーボードを慣れない手つきで弾きながら唄いあげ、後半サビでメンバーが出てきて一緒に唄い終演。マスク越しにお客さんも呟くように唄っていたのはご愛嬌だ。
反省しきりの新川蘭でしたが、たどたどしくも、不恰好だけど最後までやりきった一生懸命な姿が良かった。
きちんとしたオーディションで選ばれた多くのアイドルグループのメンバーはネットで掘れば、何らかの活動歴が出てくるところではあるが、新川蘭だけは何も出てこない、代わりになぜかLINEのスタンプが出てきた(現在は抹消)という…。
何も持ち得なかった女の子がアイドルという何かに。
エレファンク庭、新川蘭の物語は続いていく。

誕生日、おめでとう。

追伸・エレファンク庭 公式YouTubeチャンネルにて当日の様子の動画が2本あがっております。

Birth day Green Garden20200819(ライブ映像)

Birth day Green Garden Back Stage(ライブ前の楽屋の様子)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?