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【うそつきうさぎ】

またみんな引っかかったね。
これはぜんぶ嘘なんだよ?ぜんぶ。ぜーんぶ。

褒められる私も、可愛くとぼける天然の顔も、
他人の幸せを願う姿も。

そうすると、
どんどん認められる幸福に溺れていけるの。
停滞した幸福に。

でもね、

愛さないで、もうやだよって言えない。
騙してるのは自分自身なのに、
うずくまりたくなるくらい悲しくなる。

ごめんなさい。嘘つきでごめんなさい。
私は誰も好きじゃない。誰かと一緒にいても
ずっとひとりなの。

明かりを付けたら自然と笑って、
明かりを消したら足元を見て。

創り上げた自分の虚像に信仰していて
どうしても捨てることができない。
延々と演じるなんて、やっぱり私は馬鹿なんだ。

飽きて、悩んで、笑って、走って。
逃げても逃げてもまとわりつく。

本当の私を誰が愛してくれる?
演じなきゃ人は愛してもらえない。

きっとみんなそうだ。
あんなに楽しそうにしてるみんなだって
心の底では嘘をついてる。誰かを見下してる。

それなのにどうして?
どうしてそんなに明るい顔で笑っているの?
私がニセモノだと叩きつけるように、
純白の友情のように。

黒く汚れ切った私はいくら白を重ねても
真っ白には戻らない。
ぜんぶ人工の色で、これも全部演技だ。

置いてって、置いてってよ。私はあなた達とは
違う。でもやだ。1人はいや。
だってそりゃそうでしょ?1人はさびしいよ。

また偽りのイメージごと媚び売って、
吐けば吐くほど真っ当になるコトバ。

この仮面ごと嫌われたら、私はどうしようか?

                          Reference : Wozwald / 煮ル果実


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