チェンマイとチェンライを行く
11月前半、タイ出張があった。
タイ北部のチェンマイと、更に北上し、ラオスとの国境付近にあるチェンライへ。
日中は34-5℃、湿度90%。夜は20℃近くまで下がるが、とにかく蒸し暑かった。
ちょうど現地のお祭り期間と重なっていて、街の至る所に艶やかな吊り行灯が。
南国によく似合う極彩色。
チェンマイはバンコクから飛行機で1時間半北上したところにある、人口約20万人の小都市だ。
中心部は道路でスクエアに囲われていて、大きなホテルや観光スポットが集中する。その中にいる分には治安は良かった。
ガイド曰く、チェンマイは「日本でいえば京都」。古式ゆかしい寺院が立ち並び、タイの歴史を満喫できる。
一方、旧ビルマや中国北方民族など複数の民族を受け入れつつ歴史の荒波をかいくぐってきた街でもある。捉えどころのないエキゾチシズムがただよう、浮遊感ある雰囲気も魅力的だった。
詳しくは以下参照。
ナイトバザールが美しかった。
食べ物は甘辛く味が濃い。暑さで奪われた体力をおぎなう感じ。機内でオレンジジュースを頼んだら濃くて甘くてびっくりした。ビールすら甘かった。
チェンマイから車で山道を走り、約3時間でチェンライに到着。小規模な町だが大きなバスターミナルがある交通の要所だ。欧米からの観光客が多かった。
山道は自生するバナナの木など、南国らしい植物が目立つ。
緑の中にときどきあらわれるヴィラは、アラン・ロブ・グリエの小説「嫉妬」を思わせるフランス風な雰囲気。
意外にも、チェンライには教会が多かった。寺院のはざまを縫い、仏教支配の届かない場所に宣教師が訪れていたそう。キリスト教ってすごい。
南国らしい解放感と、高湿度の不穏な空気、アジアの猥雑さが入り混じる。そしてワイルドな緑と湿度による閉塞感が常にあった。もちろん南国のたのしさはあるけど、どこか変に暗いのだ。
現地ガイドは、ここ20年の軍事政権による支配やクーデターの繰り返しや、その影響について饒舌に語っていた。
………
タイ王室のロイヤルプロジェクトにより、この辺りでは1990年前後からコーヒー豆を栽培している。
手摘み、自然乾燥で仕上げたスペシャリティコーヒーは貧しい山岳民族の貴重な収入源だ。
段々畑の山頂にあるカフェが絶景だった。
タイは硬水で、コーヒーの味は微妙に違った。日本で飲むよりも薄い感じがした。
この旅で最も衝撃だったのは、この山頂のカフェにフリーWi-Fiが飛んでいたこと。そして現地の少女が「鬼滅の刃」法被を着ていたことだ。
誤解を恐れずに言えば、戦後日本のようなバラックが立ち並ぶ田舎町で、禰󠄀豆子ちゃんの法被をきてスマホを操作するローティーンの少女を見たのがいちばんびっくりした。
山から降りて、現地のナイトバザールを訪問。
常夏の気候だと、屋外屋台が常設できるんだなと。
寺院もいつくか訪問。
寺院には現地支配層ごとのカラーがあるそうだ。日本のお城と一緒だと聞いた。
寺や城といえばアラベスク紋様の装飾だが、ヨーロッパや日本で見るのよりも大胆な気がした。
改修工事中の寺。足場が竹でびっくりした。
余談だが、現地の工事現場や電線もおおらかすぎて衝撃を受けた。
以上、仕事外の備忘録。楽しかったけどくたくたでした。
おまけ。
タイ航空の機内食。抹茶どら焼きでした。
サポートいただけたら泣いて喜び、創作活動に活用します。