- 運営しているクリエイター
2017年9月の記事一覧
演歌と乾気、曙と化物
最近、室生犀星の「抒情小曲集」を読んでいる。
(初版装丁。素敵です。時代を感じる)
今をときめく高橋一生の愛読書と聞き、臆面もなく便乗。ミーハーですいません。だって好きなんだもん。
あと、読書好きを謳っているのに、こんな名作を未読ってのもな…っていう、見栄っ張りな理由もあります。しょうもないですね。
が、頁を繰ると、物凄い既視感の連続でした。これ絶対読んだことあるな、と。恐らく子供の時
創作「うわきものたち」
前に書いたものが偶々出てきたので、加筆修正してupします。
掌編で、多分30枚に満たないくらいの作品です。似た者親子のお話。 (酒は出てきません)
………………………………
うわきものたち
視界を遮ったのは、カサブランカの花束だった。持ち手の顔が見えぬほど、こんもりとした白い星々。そしてむせかえるほどの芳香。
夕方の地下街は蒸していた。よどんだ水槽の中を、制服を着崩した高校生の群れや