[映画]プーと大人になった僕

くまのプーさん、愛らしいディズニーキャラクターで有名な彼らのファンタジー映画を紹介します。

内容は題名通り、プーとその仲間たちと大人になったクリストファー・ロビンの物語。
原作最後に描かれる仲間たちとの切ないお別れの後、クリストファー・ロビンは寄宿学校、結婚、従軍を経て、娘を持つ会社員として忙しく働いています。プーたちと過ごした百町森での豊かな時間は、彼にとってはあまりに遠く、もうそれは別人のよう。優しい妻や優秀で可愛い娘との時間すら、ままならない。そんな生活を送るロビンの前にくまのプー!そして小さな冒険が始まります。
裏切らないディズニーの品質とハッピーエンド、安心して楽しめる作品です。

でも、それだけでは終わらない素敵なところをもう少し。
まず何よりなのは、原作「くまのプーさん」「プー横丁にたった家」の世界が忠実に、さらに魅力的に表現されていたこと。キャラクターの造形含めてスクリーンに映る画はシェパードの挿絵、台詞や間合いはミルン。もちろん原作に出てきたエピソードが満載で(例えば「やっぱり探検は北へ向かわなくてはね。断然」と頷いてしまう場面とか)飽きることがありません。
それから、意外と社会派で普遍的なテーマなこと。舞台は大戦後のイギリス、インターネットもスマホもありません。でも、現代と同じく、子供は大人になるために、大人はちゃんと大人として子供を守るために、あくせく忙しくしています。結果、ご縁があって同じ時空にいる人やモノや出来事を大切に扱うことを忘れてしまう。必死に回転しているだけで1日が終わるワーキングマザーとしては、貴重な気付きのドラマでもありました。大人も子供にも、大なり小なりそんな面はあるだろうし。
最後に、出演者が楽しいです。くたびれたおじさんから、元・可愛くて想像力が豊かなロビンに変化するのは、ユアン・マクレガー。
彼目当てもあって出かけた贔屓目もありハマり役。初めて知った女優さんですが妻役のヘイリー・アトウェル、強くて優しい母を自然に演じていて素敵でした。

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プーと大人になった僕
監督 マーク・フォスター
脚本 アレックス・ロス・ベリー トム・マッカーシー アリソン・シュローダー
出演 ユアン・マクレガー ヘイリー・アトウェル
2018年 米国
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