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I Musicisti ~Ligabueを支えるミュージシャンたち~

Ligabueはソロ・ミュージシャンであるが、公演やイベントでアコースティック・ギターを手に数曲歌うことはあっても、まったくひとりでステージに立つことはほとんどない。かたわらには常に彼をサポートするミュージシャンたちが控えている。
ここでは、私的な好みを交えて、彼らを紹介する。


第一期バックバンド(1990~1994年ころ)

バンド名:クランデスティーノ ClanDestino
わたしがLigabueに出会ったころは、すでに彼らとの活動が終わってからであり、1995年以降もたびたび共演しているが、ライブで聴く機会が訪れたのはようやく2015年のCampovolo。初期のアルバムや映像で見たとおりの硬派で骨太なロックンロールなイメージ。この人たちは、なんだか顔もコワい。なお、バンド名ClanDestinoは「無法者」の意。

Chitarra(ギター)
マックス・コッタファーヴィMax Cottafavi
1964年生まれ。いまなお古参のファンに支持される、Lucianoの初代ギタリスト。デビューアルバムの“Balliamo sul mondo”や "Bar Mario"、名曲“Libera nos a malo”のシブいリフはこの人! 2015年2月の東京公演では、Niccolò Bossiniの代わりに来日。後述のFedeとの貴重なツインギターが実現、以降は現バンドil gruppoの一員として定位置を占めている。

Basso(ベース)
ルチアーノ・ゲッツィLuciano Ghezzi
1963年生まれ。顔は少しコワいが、見かけによらないかわいらしい歌声で、コーラスも担当する。2020年世界的パンデミックのため、Ligabueデビュー30周年記念ライブの延期が決まった直後、急逝した。

Batteria(ドラムス)
ジジ・カヴァッリ・コッキ Gigi Cavalli Cocchi
1956年レッジョ・エミリア生まれ。バンドのリーダー的存在(たぶん)。インタビューなどでもよく見かけるので、スポークスマン的存在でもある。この人もコワモテな印象だが、"A che ora è la fine del mondo?" (1994) ジャケットのコミカルなグラフィックはこの方の作品。

Tastiera(キーボード)
ジョヴァンニ・マラーニ Giovanni Marani
ファーストアルバム発売後のイタリア全国ツアー"Never Ending Tour"より参加。

Tastiera(キーボード)

ジャンフランコ・フォルナチャーリGianfranco Fornaciari
1993年から参加。"A che ora è la fine del mondo? "(1994)に収録されている楽曲"Cerca nel cuore"の共作者。

第二期バックバンド(1994~2008年ころ)

バンド名:ラ・バンダ La Banda
わたしが出会った1997年当時は、このバンドとの活動期だったため、いまだにわたしにとってLigabueのサウンドはイコールLa Banda
彼らとのサウンドづくりは複数のギターを駆使した、メロディアスなアレンジが特徴、と勝手に思っている。
命名はボブ・ディラン&The Bandにちなんでいるらしい。そのまんま。

Chitarra(ギター)
フェデリコ(フェーデ)・ポッジポッリーニ Federico Poggipollini
1968年ボローニャ生まれ。愛称 capitano(キャプテンの意)。FedeことFederico Poggipolliniは、La Banda時代から現在にいたるまで30年以上、Lucianoのかたわらでギターとコーラスをつとめる。
Certe Notti”などのメロディアスな間奏、“L’odore del sesso”などの美しいアルペジオはもっぱらFedeの担当。また、彼の甘い歌声はLucianoのシブい声と絶妙にハーモニーを奏で、コーラスとしても欠かせない(と、わたしは思っている)。
2008年ころまではステージ後半、盛り上がると半裸を惜しげもなく披露してくれたが、近年は年齢的にヤバいのか、彼の美しい肉体を拝む機会がなくて、残念きわまりない。
なお、愛称のCapitanoは、バンドの中で最年少のため、あえてLucianoからキャプテンを拝命されたらしい。

Chitarra(ギター)
メル・プレヴィテ Mel Previte
1964年バリ生まれ。本名はカルメロCarmelo。やんちゃで目立ちたがり(?)のFedeとは対照的なシブいギタリスト。12弦ギターやサックスも操る。コーラスも担当。この人の声も見かけによらず愛らしい。

Basso(ベース)
アントニオ・リゲッティ Antonio Righetti
1964年モデナ生まれ。愛称リーゴRigo。けっこう目立ちたがり(?)なのか、ステージでもぐいぐい前面に出てくるタイプのベーシスト。Twetter(当時)でメッセージを送ったら、「遠い日本にもファンがいる!」と喜んで、Facebookで紹介されてしまったことがある。

Batteria(ドラムス)
ロベルト・ペッラーティ Roberto Pellati
1965年生まれ。愛称ロビィRoby。シャイに後方に控えているが、よく見るとイイ男!

Tastiera(キーボード)
ファブリツィオ・シモンチョーニ Fabrizio Simoncioni
1965年アレッツォ生まれ。愛称シモンチャSimoncia。“Radiofreccia”のレコーディング&ミキシングから参加、ライブには1999年9月のアレーナ・ディ・ヴェローナ公演から加わる。コーラスも担当。この人もステージですぐ脱ぐ癖がある。しかもステージではつねに裸足。2004年ころに自身のメキシコでの仕事のため脱退。
縁あって、2014年夏、Lucianoのコンサート会場で直接会って話をすることができた。開放的でフレンドリーな方でした。

第三期バックバンド(2008年~現在)

バンド名:イル・グルッポ Il Gruppo
「グループ」という意味だが、いい加減なネーミングである。その由来は知らない。
Fedeは引き続き、ギター&コーラスを担当するが、この時期プロデューサーをつとめたコッラード・ルスティチCorrado Lustici の勧めで編成を変えたらしい。当初はベースとドラムスにアメリカ人を起用している。

Chitarra(ギター)
フェデリコ・ポッジポッリーニ Federico Poggipollini
La Bandaから引き続き、ギター&コーラスを担当。Sempre lui!

Chitarra(ギター)
マックス・コッタファーヴィMax Cottafavi
初代バックバンドClanDestinoのギタリストだが、2015年のワールドツアー後半から、約20年ぶりにLigabueのバックに復帰。

Chitarra(ギター)
ニッコロ・ボッシーニ Niccolò Bossini
1978年レッジョ・エミリア生まれ。ステージには2005年のCampovoloから、アルバムでは同年の“Nome e cognome”から参加。2015年のワールドツアー後半からしばらく抜けていたが、2022年のデビュー30周年記念ライブより復帰。

Tastiera(キーボード)
ルチャーノ・ルイージ Luciano Luisi
2011年発売のライブアルバム“Campovolo2.011”収録の新曲および2013年“Mondovisione”ではプロデューサーもつとめている。

Tastiera(キーボード)
ジョゼ・フィオリッリ Josè Fiorilli
Simonciaの後任として、La Bandaの後期、2006年ころから2014年2月まで参加。

Basso(ベース)
カヴェー・ラステガー Kaveh Rastegar
1975年モントリオール生まれのアメリカ人。2008年にバックバンドの一員になったときはイタリア語はCiaoGrazieしか知らなかったと言うが、なかなかどうして、SNSやインタビューなどで流暢なイタリア語を操るせいか、イタリアのファンにことさら愛されている節がある。2014年2月、自身のバンドKneebodyの活動が活発になったために脱退。Kneebodyを率いて2013年8月に来日公演を行なった際、話をする幸運に恵まれた。東京でアメリカ人と日本人がイタリア語で会話する、不思議な光景であった。

Basso(ベース)
ダヴィデ・ペッツィンDavide Pezzin
2014年Kavehの後任として、3月の"Mondovisione"ツアーから参加。実質のデビューは確か、Ligabue初出演で話題となった、2月のサンレモ音楽祭だった。

Batteria(ドラムス)
マイクル・ウルバーノ Michael Urbano
1960年サクラメント生まれのアメリカ人。10年以上バックバンドの一員として活動していたが、この人がイタリア語をしゃべっているところを一度も見たことがない。英語で通していたのだろうか?
Fedeのソロアルバム”Nero”および “Canzoni rubate”ではプロデュースをつとめている。2019年アメリカに帰国。

Batteria(ドラムス)
イヴァーノ・ザノッティIvano Zanotti
2019年の”Start”ツアーから、アメリカに帰国したMichael Urbanoに代わって参加。FedeのバックバンドThe Crumarsのメンバーでもある。”tuono”(雷)を二つ名にもつ。顔はコワいが、ドラミングの合間にスティックをくるくる回したり、マイクがないのに口ずさみながら叩いたり、しぐさがおちゃめ。2023年のローマ・オリンピックスタジアムでは、開演前にうろうろしているのを見かけて声をかけたら、来てくれて撮影にも応じてくれた。SNSでも気軽に返信をくれるらしい。

Batteria(ドラムス)
レニー・リガブーエ Lenny Ligabue
1998年生まれ。最初の妻DonatellaとのあいだにもうけたLucianoの息子。
11歳で"Arrivederci, mostro!"(2010)収録のうちの1曲でドラムスを担当。"Dedicato a noi"(2023)では、ドラマー・コーラスとして本格的に参画している。2024年10月からのTeatroツアーでステージデビュー予定。ご本人としては、ミュージシャンというよりプロデューサー志向らしい。


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