視床の核と脳画像の見方~運動・情動に関与する核~
みなさま、はじめまして
見て頂いてありがとうございます🙇
今回も視床に関与する核についてまとめていきたいなと思います。
※できるだけ正しい情報の発信に努めていますが、あくまで個人のまとめ、私の臨床経験や考えも含みますので、より正確な情報を知りたい方は、原著論文や書籍の確認をお願いします。
前回のnoteでは視床の核~感覚編~をまとめました。
前回の記事はこちらをチェックしてください👇
【視床の核と脳画像の見方~感覚に関与する核~】
https://note.com/yuchanot/n/n057b92798436
今回は
特異核の中の
運動・情動
そして
連合核・非特異核について説明していきたいと思います。
まずはこちらの図を見て下さい👇
これは、視床の核の種類と機能をまとめたものになります。
どうしても量が多いので、私も忘れたときに見るようにしています。
この図を参考に、前回は感覚に関与する核を説明したので、残りの部分を説明していきます。
まずは、【運動に関与する核】からいきます。
VL核:外腹側核
・機能:錘体外路系に関与
・症状:対側の運動失調
この核が損傷すると、小脳のような運動失調が起こると言われています
6野(運動前野)から小脳を通り4野(運動野)にいく大脳・小脳ループは、視床VL核を通るため、視床性の運動失調が起こります。
次は
VA核:前腹側核
・機能:前頭葉、運動前野からの入力を受ける
・症状:運動の脱抑制
運動ループに関わる運動前野から淡蒼球→視床VAを通るため、この核の損傷では
【運動の脱抑制】
が起こる可能性があります。
次は【情動に関与する核】にいきます
DM核:背内側核
・機能:感覚に基づく情動、記憶に関与
・症状:感情記憶(嬉しい・楽しい・悲しい等の感情を伴う記憶)の低下
扁桃体からの入力を受けるため、感情記憶に関与します
記憶回路(ヤコブレフ回路)を形成します
次は
A核:前核群
・機能:辺縁系に属した情動、記憶に関与
・症状:記憶(短期・長期・エピソード等)の低下
この核は海馬からの入力を受けるため、記憶に関与します
記憶回路(パペッツ回路)を形成します
次は【連合核】に行きたいと思います。
PUL核:視床沈核
・機能:視聴覚、体性感覚の連合
・症状:視覚、聴覚、体性感覚の低下
この核は背側経路の機能に関与し、周辺視野に入った情報に素早く注意を向ける機能に関与します。
次は
LP核:後外側核
・機能:感覚情報の連合に関与
・症状:視覚性空間認知等の低下
この核は上頭頂小葉に入力するため、視覚・体性感覚情報の統合に関与します
次は
LD核:背外側核
・機能:情動の発現
・症状:情動の低下
情動には
怒り、喜び、悲しみ、恐怖・不安などの基本情動
高次の社会的感情(嫉妬・困惑・罪悪感・恥など)本能的な欲求などがあります。
上記部分を評価していく必要があるかと思います。
最後は【非特異核】になります
CM核:正中中心核
・機能:覚醒に関与
・症状:覚醒の低下
脳幹網様体からの入力を受けるため、覚醒に関与します
脳幹網様体→視床CM核→大脳皮質を通り、覚醒を高めることに関与します。
広範囲な視床出血の場合は意識障害を伴いやすく、出血量が多い場合は、覚醒レベルの評価が必須となります。
以上となります。
最後までみていただきありがとうございました。
【参考書籍】
[1]河田 光博、 稲瀬 正彦:カラー図解 人体の正常構造と機能〈8〉神経系1
[2]理学療法ジャーナル 2018年 5月号 特集 視床出血と理学療法 (日本語) 雑誌
[3]嘉戸 直樹:視床の機能とその臨床応用 関西理学療法